FXレバ規制と有識者会議(18/2/14)

月曜夜の日経電子版にレバ規制10倍の記事が出たことから再びレバ規制の行方を気にする方が増えたと思いますが、

FXレバ規制と有識者会議(18/2/14)

FXレバ規制と有識者会議

月曜夜の日経電子版にレバ規制10倍の記事が出たことから再びレバ規制の行方を気にする方が増えたと思いますが、そうした中13日午前に「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」と題する第1回有識者会議が開かれました。

まず、有識者のメンバーですが、大学教授5名、弁護士2名、行政への提言組織から1名の合計8名です。誰が見てもFX取引さえしたことが無いようなメンバーとしか思えません。そしてオブザーバーとして銀行1名、取引所1名、協会1名、FX業者3名、財務省1名、日銀1名の8名です。このオブザーバーの方がよほど当事者ということで意見を述べて欲しいところですが、あくまでもオブザーバーで見守ることしかできません。

さて、この有識者会議ですが会議名に「店頭FX業者の」という枕詞が付されています。以前から懸念されていた店頭FX業者のみレバ10倍、取引所取引は現行通りという伏線が感じられます。しかも有識者8名に配布された資料(金融庁作成)を見ると、これまでの規制の経緯、FMI(金融市場インフラ)の原則と対応状況、店頭FX業者のリスク、市場規模、ストレステストと自己資本規制、異常変動とロスカット制度、という構成です。

この中で気になるのがFMI原則における証拠金に対する重要考慮事項です。ここには「当初証拠金は、少なくとも推計された将来エクスポージャーの分布の片側信頼水準99%をカバーすべき」とありますが、そこまでの信頼水準を求めたら存在できない金融商品のほうが多くなってしまいます。

FXの変動率は過去を振り返っても株価や他のデリバティブ商品に比べたらはるかに小さいですし、最後の異常変動の例としてスイスフランショックをあげていますが、それはスイス中銀という当局の為替政策に失敗によるものですからと突っ込みたくなるところです。資料の構成も既定路線10倍でよくわかっていない有識者がリスクを感じる悪意ある内容としか思えません。

名ばかりの有識者会議は一応公開となっていますので、今後の展開次第では金融庁に意見していきたいと改めてレバ規制問題で騒ごうと思わせた一日となりました。FX羅針盤の私のコラムでも継続テーマとしていきます。

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