豪ドル/円、上値の重い展開続く。87円割れで下値リスクが点灯。
オーストラリア経済は、低インフレ下での内需拡大と健全な雇用市場に支えられて緩やかな拡大基調を維持しています。現状はインフレターゲットに届いていませんが、今後、消費者物価が2.0%台に乗せて来た場合は、利上げも視野に入って来るものと見られます。一方、為替市場では豪ドルが対ドルでジリ高に推移しており、1月末終値では昨年7月来となる0.80台に乗せ、高値圏での推移となっています。懸念されるほどの豪ドル高にはなっていませんが、このまま豪ドル高が定着するようなら、経済や物価動向への懸念材料となりえることから、今後の中銀の金融政策会合の議事録などで確認して行く要がありそうです。
チャートを見ると、日足は88円を挟んで揉み合い状態が続いています。1/23に付けた89.07を直近高値として上値を切り下げる一方で、87円台前半にある強い下値抵抗も守っており、87円割れを見ない限り、下値余地も拡がり難い状態です。日足の上値抵抗は88.70-80、89.10-20に、下値抵抗は87.30-40、86.40-50にあります。21日移動平均線は88.23に位置しており、若干下抜けていますが、120日、200日線は87.31と86.46にあり、中期トレンドは豪ドル強気の流れを維持しています。
一方週足は、続伸に繋げられずに小陰線で終えており、上値を切り下げています。この陰線が、下げ余力の強いものではなく、また、87円台の下値抵抗を守っており、反発に転ずる可能性を残した状態ですが、これまでの上値トライでも89円台乗せに再三失敗しており、89.30-40の抵抗を上抜けて越週しない限り、上値余地も拡がり難い形となっています。今週の週足の上値抵抗は89.30-40に、下値抵抗は、87.20-30にあります。31週、62週移動平均線は、87.36と86.11にあり、中期トレンドをサポートしています。一方、月足は値幅の小さい寄せ線に近い形で越月しており、上下の抵抗を抜け切れずに越月しました。下値を切り上げる一方で、89.31に位置する62ヶ月移動平均線にもぶつかっており、90円超えで越月しない限り、下値リスクを残した形となっています。
豪ドル/円【週足】:(1/31現在31週移動平均線は87.36に、62週線は86.11にあり中期トレンドは豪ドル強気の流れを維持しているが、85円割れで越週した場合は下値リスクが点灯する)
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