ドラギ総裁会見中にユーロドル1.25を突破
ECB理事会では市場の予想通り各政策金利は据え置かれ、フォワードガイダンス等も変更なし。続くドラギ総裁の記者会見で総裁は「為替のボラティリティは不確実性の源であり、中期的な物価の安定に影響を及ぼしうることから監視の必要がある」と発言、ただ、一方で「為替レートを政策の目標とはしていない」とも述べたことから、市場はこれを想定より穏やかな為替レートへの関与と受け止め一時ユーロドルは急伸、約3年ぶりに1.25を越え23:00頃には高値1.2537をつけました。
ただ、その後総裁がユーロの年内の利上げの可能性について「ほぼ皆無」と述べたことから反落、日本時間深夜0:00時点では1.2490レベルでの取引です。
ユーロは1.25に達したことから、一定の達成感もあり反落していますが、ECBのスタンス基調はユーロ圏の経済への自信であり、ユーロ高に関しても躍起になってこれをつぶす姿勢を示さなかったことから、調整後は引き続き当面の目標水準である1.26を目指す動きとなるものと思われます。
ECB理事会を経て市場の注目は、米国の保護主義と自国第一主義の主張の場と化しつつあるダボス会議でのトランプ大統領の演説へとシフト。
ドラギ総裁は米国のムニューチン財務長官を念頭に「為替相場への言及を避けるという国際的な取り決めを反映していない」と批判しましたが、ムニューシン財務長官は今日も「米経済にとってのわれわれの焦点は米国民にとってよいことをしているかどうか」と聞く耳を持たずの姿勢。
トランプ大統領が日本時間の明日夜に行うと思われる、自画自賛と保護主義的姿勢の演説に為替市場は半ばあきれながらも身構えつつあります。
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