ユーロECB理事会後方向感失う
発表されたECB理事会の政策で主要な政策金利他、基本的な事項は不変。
その後ドラギ総裁の記者会見で示された経済見通しでは2017年から19年のGDPの見通しを前回から軒並み上方修正しました。特に2018年ついては前回+1.8%の見通しを+2.3%に大幅上方修正、インフレ見通しについても2018年のみ+1.4%に引き上げていますが、これは主に原油価格等の高騰によるものと説明されました。また、新たに加わった2020年の経済見通しはGDP、インフレ率ともに1.7%を予想しています。
全般的には明るい経済見通しに、会見開始後ユーロドルは一時1.1863まで上昇しましたが、経済が上向きであるにもかかわらず、2020年に至ってもインフレ率が目標の+2.0%に達しない見通しに対する質問にドラギ総裁から納得のいく説明が得られなかったあたりからユーロは下落に転じ、本日最安値の1.1795まで下げた後0:00現在は1,1800近辺でもみ合いとなっています。同時刻に発表された11月の米小売売上が予想を上回る結果であったこともドル買いを強めることとなりました。
昨日のFOMCに続き、ECB理事会でも経済の成長に伴って伸びてこないインフに困惑気味の様子がうかがわれ、ユーロは再び頭を抑えられた形です。ドラギ総裁は昨日のFRBの利上げによる金利差の拡大ついては、景気回復のステージが違うので問題とは思わないと述べていますが、今回景気改善の度合いは欧州圏のほうが大きかったように思えます。
このあたりを市場が今後どのように消化していくかが当面のポイントとなりそうです。
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