ECB政策発表前、ユーロ手控え
今晩のECB理事会の政策発表を控え東京時間のユーロドルは1.18台前半で横ばい推移。
未明の米FOMCでは予想通り利上げは実施されたものの、事前に発表された消費者物価指数の不冴えもあいまって「原因不明の」低インフレに対する警戒感が残った形となり、イベント通過後のドルは主要通貨に対し軟調に転じました。
ユーロドルは昨晩1.17台前半からCPI発表、FOMC後と二段階で上昇して東京時間は前日から約100ポイント上げた1.18台前半で横ばい推移しました。
今晩はユーロにとっては今年最後のイベントとも言えるECB理事会の政策発表とドラギ総裁の記者会見が予定されています。
前回11月には事前予告どおり来年からの債券買い入れ額の縮小を発表したECBでしたが、今回はそういう意味での政策変化は特に予想されていません。
政策発表においては念のためフォワードガイダンスの変更の有無を確認し、その後はドラギ総裁の記者会見のニュアンスに神経を集中させることとなるでしょう。
前回発表された来年以降の債券買い入れ額の縮小を「テーパリングではなくダウンサイズである」と表現したドラギ総裁が、来年以降の経済見通しと、米国同様の低インフレと賃金上昇率の鈍さに関しどのような説明をするか注目されます。
ユーロドルは昨晩の上昇で一目均衡表の雲の上に一旦浮上。一旦1.1844の高値まで上昇した後19:00現在は雲の上限1.1823、21日移動平均線1.1820に近いレベルでの取引となっています。このところ予想外の上昇と下落を繰り返すうちに、フィボナッチのラインも引かれすぎていてどれの何パーセント戻しなのかわかりにくくなりつつあるユーロドルのチャートですが、1.17台前半の底値固めは終了したと見て、今晩のイベント通貨後は1.1850を越えて上昇のモメンタムを維持することができるか否かに注目したいと思います。
ECB理事会結果公表は21:45、ドラギ総裁の記者会見は22:30からの予定。
尚、FOMCの影であまり材料視されていませんでしたが、未明に米共和党は上下両院で法人税率を21%とする法案の一本化に合意、法人税の代替最低税(AMT)も廃止でまとまった模様で週内に最終案を固め、来週早々にも両院で採決することが見込まれています。
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