ポンド上昇後に行って来い
昨日の海外市場でははじめは英国とEUとの合意が近そうだとの話からポンドが1.34台前半から1.35台前半へと上昇後に、合意に至らずとの話で元の水準へと押す「行って来い」の値動きを見せました。到達確率チャートを再掲すると以下のラインマーカーで着色した部分が上記の時間帯です。
ポンドドル 到達確率チャート
さて、そもそもなぜここに来てまた合意が出来ていないのかですが、以下の4つが主要な争点です。
(1) EUからの離脱にあたっての清算金
(2) 英国在住EU国民、EU在住英国民の権利問題
(3) アイルランドと北アイルランドの国境問題
この中で(1)については既に大筋で合意していますし、(2)もそれほど大きな問題になるとは思えません。問題は(3)の国境でアイルランドはEUに属している国であり、北アイルランドは英国です。そして、北アイルランド問題として有名ですが、英国にとってアイルランドは長年の最大の問題と言われています。
今回のEUからの離脱にあたり、交流が強いアイルランドと北アイルランドが別の貿易ルールとなることについてEUとアイルランドは譲歩を求める中、メイ首相は一定の譲歩を見せたいたところに北アイルランドの民主統一党党首が英国本体との別扱いを断固として拒否する姿勢を見せたことで、メイ首相が会談を中断したとのことです。
この問題は思いのほか根が深そうですから状況によってはブレグジットの合意が更に先送りとなるリスクがありそうです。
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