豪ドル/円、短期は弱気。84円台を守り切れば反転の可能性も。
オーストラリア経済は世界経済が緩やかな拡大基調にある中で強い労働市場と国内消費に支えられて好調さを維持しています。豪州中銀の議事録では低インフレ下での労働賃金の上昇率の低さが、今後の消費に与える悪影響について言及していますが、他の中央銀行と同様で深刻な状況とは受け止めていません。為替市場はアメリカの税制改革法案の行方や金利動向に注視する動きとなっており、豪ドルは対ドル、対円で上値の重い展開が続いています。
チャートを見ると、日足は、9/21に付けた90.30を起点として上値を切り下げる流れに変化が認められません。この日足の上値抵抗は87.60-70にあります。また、10/23に付けた89.08を戻り高値として上値を切り下げており、この日足の上値抵抗が86.40-50にあることから、これを日足の実体ベースで上抜けて来るまでは、下値リスクにより警戒が必要です。一方で下値も、84円台に中期的な下値抵抗が散在しており、これを一気に下抜けるにも無理がありそうです。21日移動平均線は86.51に、120日、200日線も87.07と85.97に位置しており、全てを下抜けて、短・中期トレンドは豪ドルの下落リスクがより高い状態にあることを示しています。
一方、週足は4週連続陰線引けとなり、直近の週足が86円台を維持できずに越週しており、新たな下落リスクが点灯しています。84円台には中期的な下値抵抗があり、今週は下げ渋りの展開となっていますが、週足の形状が一段と悪化しており、一段の下落に注意する必要があることを示しています。短期トレンドは86.50超えに値を戻せば下値リスクが軽減されますが、この場合でも88円超えで越週するまでは下値リスクを残します。週足の上値抵抗は85.50-60、86.40-50に、下値抵抗は84.70-80、84.20-30にあります。31週移動平均線は86.18にあり、この下に入り込んで、新たな下落リスクが点灯しましたが、62週移動平均線は84.86に位置しており、これを守って反転の足掛かりとなる可能性を残しています。また、31ヶ月移動平均線も84.82に位置していることから、84円台の抵抗には何度か跳ね返される可能性が高いと見ています。但し、形状が弱いので反転した場合でも86円台はまだ壁となりそうです。
豪ドル/円【週足】:(11/23現在31週移動平均線は86.18にありこの下に入り込んで下値リスクが点灯中。62週線は84.86にありこれを守って反転の足掛かりとなる可能性を残している)
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