最近の人民元の動き
日米首脳会談でトランプ大統領が日米の不均衡問題をテーマにして以降は円高傾向が続いています。不均衡といえば、上位3カ国が中国、日本、ドイツですが、ユーロは別の理由(ドイツの予想よりも強いGDP結果)で直近ではユーロ高の動きとなりました。為替としての注目度は低いものの、そうなると人民元はどうなのだろうという点は気になるところです。
人民元には規制があるオンシュア人民元(CNY)と自由に取引できるオフシュア人民元(CNH)がありますが、ここではオフシュア人民元の対円のレートを見ると、最近の円高に比べてどのような推移をしているかがわかります。年初からのCNH/JPY(上段)とUSD/JPY(下段)の日足チャートをご覧ください。
CNH/JPY(上段)USD/JPY(下段)日足
オフシュア人民元もオンシュア人民元の動きに影響を受け、かつオンシュア人民元の変動幅が限定的となっていますので、基本的にオフシュア人民元の対円の動きは、ほぼドル円の動きと同じです。実際に年初から8月上旬まではほぼ同じ動きを見せていましたが、9月上旬から9月上旬までの円高の動きの中でもオフシュア人民元高・円安の動きとなりました。
ドル円が114.50(ピンクの水平線)で上値を抑えられているのに対して、ほぼそれに見合ったオフシュア人民元の16.80円は9月に入って上抜けそれ以降も着実に底堅い値動きを続けていることがわかります。これは人民元自体が着実に他の通貨ペア同様に一般的な変動相場制へと着実に移行してきている面が大きいのではないかという点がひとつ、そして4月の米中主脳会談において交わされた100日計画(7月16日期限)で、やはり為替についても何らかの協議がもたれた可能性があるのではないかという点です。
実は、今月リリースされたNY連銀の論文においても「人民元が他の変動相場通貨に一段と似てきている」という指摘が出ています。今後の人民元は一段と自由化されて行く流れでしょうが、日本円がアジアの一通貨といった地位に落ちないよう願いたいものです。
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