ドル円 材料多いなか、荒っぽい変動も(10月第五週)

先週のドル/円相場は、小幅にドル安・円高。週のザラ場ベースで114円台を記録し、直近のドル戻り高値を更新したが、週末NYクローズは113円台。

ドル円 材料多いなか、荒っぽい変動も(10月第五週)

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先週のドル/円相場は、小幅にドル安・円高。週のザラ場ベースで114円台を記録し、直近のドル戻り高値を更新したが、週末NYクローズは113円台。それも週初の寄り付きレベルより低い水準で、週足は陰線引けとなっている。

前日に投開票された衆院選は、複数メディアで事前に予想されていたように与党・自民党が大勝。安倍内閣の継続が事実上決定となったことを好感した動きもあり、ドル/円は前週末のNYクローズ113.50-55円に対し、113.80-85円と下方向にギャップを空けて寄り付いた。そのままドルは続伸し114円台まで上昇するも続かず、ファーストトライは失敗に終わっている。

113.35円レベルの週間安値まで下押しを経たのち、ドルは再び上昇。週末には発表された7-9月期の米GDP速報値が好数字になったこともあり、114.44円の週間高値を記録、「今度こそは」の期待が高まったが、次期FRB議長人事をめぐる動きなどを受け、やはり114円台を維持することはできなかった。週末のNY市場は113.65-70円で大引け、越週している。

一方、週間を通した主な材料のひとつは、次期FRB議長人事をめぐる報道や思惑。それまでも候補者の顔ぶれや最終発表のタイミングについて、要人の発言が二転三転するなか、週末にはブルームバーグが「トランプ氏はパウエル氏指名に傾く」とハト派議長誕生の可能性を報じたことが嫌気されドル売り・円買いの要因に。また、それとは別に、トランプ氏自身から「次期FRB議長、特定の人物を念頭に置いている」「10月30日週に発表を行う」−−との発言が聞かれていた。

そのほかでは、「日経平均株価が16連騰の新記録樹立」や「NZの新政権をめぐる不安感台頭」、「スペイン・カタルーニャ独立問題」「トランプ氏と共和党重鎮、内輪もめの様相が顕在化の様相」−−などのニュースもマーケットを賑わせ、ドル/円についても波乱要因となっていた感を否めない。

<< 今週の見通し >>

10月以降形成していたボックス圏を上抜け、7月のドル高値に迫る114.44円台を一時記録するも週末に失速、結局「しっかり」上抜けたとは言えない状況だ。大きく崩れるイメージには乏しいものの、ドルの上値トライは一旦仕切り直しとなる公算が高いのかもしれない。ただ、上値が重い反面底堅いことで、結局のところレンジ内でなかなか激しい上下動をたどる展開には要注意か。
なお、そうしたなか材料的に注目されるのは、まず次期FRB議長人事。ただ、前述したように先週末には「パウエル氏優勢」との報道が観測されており、その線で進むのではあれば織り込み度合いはかなり進捗している可能性もある。また、それ以外でも来月1日に予定されているFOMCの結果公表や週末3日の米雇用統計発表など注目要因が相次ぐだけに、予断を許さない。

テクニカルに見た場合、先週末にザラ場ベースで直近高値を超えるなど、ややドル高方向のリスクが高いものの、週足チャートは小陰線となるなど、勢いは弱い。そうでなくとも、今年7月高値が114.49円となっているだけでなく、5月高値は114.37円、今回高値も114.44円で、ここ半年ばかりはザックリ言って114円半ばが強い抵抗となっているようだ。しっかり抜ければ、当然115円台が視界内に捉えられそうだが、ドル弱気派からは114円半ばの抵抗で上値をレジストされ、逆に調整が進む危険性も指摘も聞かれていた。

一方、材料的には、今週は注目材料が目白押し。
前述した「次期FRB議長人事」や「FOMC」「米雇用統計発表」以外の要因を挙げるとしても、豪州やNZ、スペインなどゴタゴタが続く「各国政治要因」や「日銀会合し結果発表」、波乱はないと思われるが「日本の首相指名選挙と組閣人事」「堅調推移の続く日米株価の先行き」−−など注意すべき要因は少なくないようだ。

そんな今週のドル/円予想レンジは、112.50-115.00円。ドル高・円安については、先週高値や7月高値を含めた114円半ばが最初の抵抗で、抜ければ心理抵抗でもある115円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週何度か下げ止まっている113.20-30円の攻防が注視されており、割り込むようだと113円レベル、今週112.20円近くまで急上昇してくる週足・一目均衡表の先行帯の雲の上限などを目指す展開も。(了)

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