N$下落続く、政権交代と保護主義化懸念
昨日、9月のニュージーランド総選挙で第三党となったポピュリズム、ナショナリズムを掲げる少数政党「ニュージーランド・ファースト」が労働党との政権協力に合意したと発表、9年ぶりに労働党が政権を奪還することが決まって以降ニュージーランドドルが対ドルで急落しています。
先月23日に行われた同国総選挙では与党国民党は第一党を維持したものの獲得議席数は120議席中56議席と過半数を獲得できず、連立を模索しましたが、最終的にキャスティング・ボートを握る形となったニュージーランド・ファーストが46議席を獲得した労働党との連立を選択したことで、労働党に政権協力する緑の党を含む野党連合が完成、議席数で過半数を占めて政権交代を実現しました。
労働党は政策で移民や海外からの不動産等への投資に対し慎重姿勢をとっており、また、労働党と組んだニュージーランド・ファースト、緑の党は移民排斥に加えてTPPにも反対しているなど、国民党のこれまでの政策方針は今後大きく軌道修正される可能性が高くなりました。
これまで移民に対する寛容な姿勢と、海外からの不動産投資、乳製品の自由貿易で比較的堅調な経済回復を実現しつつあったニュージーランド経済ですが、ゆがんだ成長形態が生んだ国内での貧富の差の拡大等による不満が排外的な傾向の政権誕生を生んだ形です。
選挙直後から政権交代の可能性は指摘されていたものの、発表前は国民党とニュージーランド・ファーストとの連立で政権継続がメインシナリオであったため、国民党の下野はサプライズとなりました。
昨日朝には0.7165レベルで取引されていたニュージーランドドルドル相場は昨日0.701台に下落、本日は更に下落して一時0.6972と5ヶ月ぶりの安値をつけています。対円ではドル円での円安もあってやや影響は緩和されているものの、昨日午前中には81円に迫る勢いであったものが、こちらも本日は79円を一時割り込む動きとなっています。
市場は新政権の政策の詳細発表待ちですが、保護主義的な傾向に加え労働党は中央銀行の責任分担の中に「雇用」を加えたいと従来主張してきており、ニュージーランド中銀の金融政策にも大きな影響を与えそうです。
来週中には主要閣僚と政策の発表があるものと見られていますが、政策不透明感に加え、従来以上に自国通貨安を標榜する可能性が高いと見られる政権の誕生に当面ニュージーランドドルは頭の重い展開が続きそうです。
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