ECB理事会の行方は
注目のECB理事会を控えユーロドルは週初から底堅いものの動意薄の展開が続いています。週初のユーロ週報において注目は理事会の結果公表(日本時間20:45)よりもドラギ総裁会見(同21:30〜)であること、また相場の変動要因としてはテーパリングについて、ユーロの水準についての2点であることを書きましたが、もう少しわかりやすくユーロドルの動きと関連付けて書いてみましょう。
まずテーパリングについてですが、現在ECBは月額600億ユーロの債券購入を行っていて、この金額による購入は「2017年末もしくは必要に応じてそれ以降も継続」とされていますので、1月以降どうするかを議論するであろうというのが大方の見方であり、ドラギ総裁も7月理事会後の会見で「来年以降の買い入れ方針を秋に検討する」と述べました。
つまり、テーパリング自体は既定路線であるもののその議論を本日行うか来月以降なのかということが市場参加者は注目していることになるのですが、端的に議論されればユーロ買い、されなければユーロ売りとして反応すると考えられるものの、最終的には年内どこかの段階で議論しないと来年1月以降の方針を決められません。買われても売られても50ポイント程度の反応に留まる可能性が高いのではないかと見ています。そして、議論の有無については7:3で議論されると考えています。
もうひとつのユーロの水準ですが、これは前回の理事会議事録にテーパリングの反応でユーロ高が強まることの懸念に言及されていたいっぽうで、ジャクソンホールではドラギ総裁はその点に触れなかったということが両方向で市場参加者を慌てさせる動きに繋がったのですが、ECBを構成するユーロ圏は19カ国もある点は重要です。ドイツのような優等生はユーロ高で構わない(実際にそう言っている)でしょうが、多くの国にとっては景気回復にユーロ安を頼っている面が少なからずあります。
つまり全ての国に対して責任を持つ総裁として、ましてや元イタリア中銀総裁の立場としてユーロ高を懸念とは簡単には言えないのだと思います。ただ、議論されていることも事実ですから、会見でその点を聞かれたらなるべく穏やかな表現で議論はされたといった発言につながるかと思います。こちらについてはやはり7:3で議論されると考えていますので、反応としてはユーロが売られる可能性が高そうですが、やはり50ポイント程度の反応ではないかと思われます。
時間差で出て来るとその都度市場参加者、特に欧州勢ははしゃぐ傾向がありますので、動き次第では、発表前の水準から上下に70〜80ポイントの振れは起こり得るものの、最終的にはイベント通過とこれまでのトレンドを継続となる可能性が高く、押し目があれば絶好の買い場提供イベントとなると半分期待しながら夜を待つこととします。
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
ユーロ(EUR)の記事
Edited by:編集人K
2017.09.06
ユーロ レンジ内で底堅く推移(9/6夕)
昨晩ユーロドルはブレイナードFRB理事のハト派発言等でドルが弱含んだことから海外時間に1.1900を回復、
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。