<< アジア時間の動き >>
11日のアジア時間は、一時円高に振れるも「行って来い」。6月14日以来、およそ2ヵ月ぶりの108円台を記録する局面も観測されたが続かなかった。
109.15-20円レベルで寄り付いたのち、ドル売り・円買いが優勢。単体で下落したというより、豪ドル/円やNZドル/円が値を下げたことに連れる格好で、ドル/円も弱含みとなった。一時109円を割り込み、108.90円レベルまで下落したが続かず、むしろ前述した豪ドル/円などのクロス円が急反発したことを受け、ドル/円の流れが反転している。アッサリと109円台を回復する「行って来い」の様相で、16時時点では寄り付きレベルに近い109.20-25円で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料面としては、本日も引き続き北朝鮮関連のニュースが目についた。一例を挙げると、トランプ米大統領から「北朝鮮への警告は厳しさが足りなかった」「グアムに何かすれば、北朝鮮で見たこともないようなことが起きる」と強硬姿勢を一層高めるような発言が聞かれるなか、日経新聞は「北の弾道ミサイルが、島根、広島、高知の各県上空を通過すると予告しているのを受け、政府は中国、四国地方に地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)を配備する調整に入った」と報じている。
なお、それとは別にロウ豪中銀総裁から、「一段の豪ドル高はインフレ上昇や雇用を鈍化させる」との発言も聞かれていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
依然としてリスクという意味では、ドル安方向にバイアスがかかる。
しかし、先月11日に目先高値114.49円を記録しており、ドル安・円高の流れは本日でちょうど1ヵ月が経過した。そのあいだに5.5円ほどの下げを演じており、ドルロング・ポジションの偏りも解消されたばかりに逆にドルショートへと転じている感を否めない。また、チャート的には4月と6月、そして今回安値でトリプルボトムを形成したような形状もうかがえる。目先はまだドル安・円高傾向が続くにせよ、ここからのドル下値余地はそれほど大きくない気もしないでもない。
本日は週末ということで、週足に着目すると、テクニカルに見た場合、大きく2つのポイントがありそうだ。ひとつは移動平均で、昨年11月13日週に上回って以来、キチンと下回ったことのなかった52週線(110.20-25円)を現段階で下回っている。このままNY市場も大引けるようだと、来週にかけて市場のセンチメントそのものが弱気に傾いても不思議はないかも知れない。
また、週足・一目均衡表において、108.65-112.20円となかなか幅広く分布する先行帯の雲の下限を割り込めるかどうかも注目要因となっているようだ。
一方、材料的に見た場合は、7月の消費者物価指数など米経済指標が発表されるほか、カプラン・ダラス連銀総裁やカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁の講演が注視されている。ちなみに、後者については、講演が予定されている2氏ともFOMCへの投票権を有しており、また昨日はダドリーNY連銀総裁による発言が失望を誘いドル売りに繋がっただけに、通常以上に警戒ムードは高いという。
それ以外では、NYダウなど米株を中心とした他金融市場の動きにも警戒を要したい。
以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.50-110.00円。ドル高・円安方向は、109円半ばに弱い抵抗が位置しており、抜ければ一目均衡表の転換線も位置する110円前後がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日安値の108.90円レベル、そして6月安値108.75円などが取り敢えずの下値メド。割り込むようだと、4月に記録した年間のドル安値が視界内に。
オーダー/ポジション状況
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