オーストラリア中銀による四半期報告
本日(4日)中銀から四半期金融経済報告の公表がありました。
今回は概観要旨を箇条書きにします。
(要旨)
1、 中銀の豪州経済見通しは5月時点とほとんど変わらない。
2、 今後2〜3年でGDPは3%成長まで上がると予想。これは潜在成長率を若干上回る。
3、 失業率は今後も改善していく見込み。
4、 現下のインフレは昨年末よりは上昇している。2017年下半期には2%に達する見込み。
5、 先行きのインフレは以前の見通しよりは若干上方修正し、2〜3%と予想。
6、これまでの緩和基調の金融政策が経済成長を支えてきた。
7、米ドルは大統領選挙後に上がったが、現在はそれより幅広いベースでドル安になっている。
8、豪ドルに関しては、貿易加重平均で上昇し、2014年末に近い水準まで高くなった。
9、雇用は改善し、フルタイムの雇用も増え、平均賃金や労働参加率も上昇した。
10、9により、鉱山関連ブームの終焉で、以前の貿易加重平均ベースでみた低下する経済から、最近までの経済活動は上昇してきたことを示唆している。
11、賃金は依然低いままとなっている。しかし、今後は徐々に上昇していくと予想している。
12、また、雇用の改善により家計収入も伸びているし、6月末期では消費も増加している。
13、もし低賃金だった長い期間が終われば、価格インフレは上昇していくいだろう。
14、幾つかの要因が強い消費を抑え込んでいる。それは実質賃金の伸びが遅いこと。
15、また、家計債務の水準が大きいこと。もし、住宅価格が大きくさがる様なことがあれば、債務の割合は非常に大きくなるリスクがある。
16、住宅投資は悪い天候で不冴えな時期もあったが、一部地域では回復している。
17、企業投資や活動は平均以上になっている。
18、調査によれば、2008年初以来の高水準まで回復した。
19、貿易では輸出が拡大している。
20、先行きの成長やインフレはテクニカルな仮定に基づいている部分がある。それは豪ドルが現行の水準で維持されると仮定している。
21、豪ル高の進展は、経済活動をより鈍化させ、インフレは予想より低くなる。
22、昨年8月以降、委員会はキャッシュレートを1.5%で据え置いてきた。これは低インフレ時代の中で、経済成長を下支えてきた。
23、また高まる家計債務に関連するリスクについても、低金利でバランスを取ってきた。
24、最近のデータではインフレが徐々に上昇し、失業率は下がっている。
25、委員会は金利を据え置くことで、持続的成長の下支えとなり、先々のインフレが中銀目標内に入ると予想している。
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
内容的にはこれまでの中銀の金融政策要旨と何ら変わりなく、暫く金融政策は据え置き、先行きの経済成長は約3%を見込み、インフレは次第に目標値に入ることになっています。
今回明確になったのは、豪ドルが現行水準で先行きの仮定を行っているとのことです。ここ数週間で豪ドルはかなり上昇しているので、先々の為替動向は要注意となります。
(8月4日13:30、1豪ドル=0.7969米ドル)
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