ランド円レポート月曜版(2017年7月24日)

先週は、南アフリカ関連では19日にCPIの発表があり、前回の5.4%(対前年比)から5.1%へと予想の5.2%をも下回る結果となりました。

ランド円レポート月曜版(2017年7月24日)

ランド円レポート月曜版

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、ランド円はランド高が進みやすい週になると見て「8.60をサポートに、8.80をレジスタンスとする週」としました。実際のレンジは、安値が8.53レベル、高値が8.74レベルと、ドル円に比べれば底固い動きではあったもののいまひとつ行ききらない感がありました。

先週は、南アフリカ関連では19日にCPIの発表があり、前回の5.4%(対前年比)から5.1%へと予想の5.2%をも下回る結果となりました。そして20日には南ア中銀の政策金利発表がありましたが、大方の予想に反して25bpの利下げを行い6.75%としました。CPIの数字を見るとインフレはほぼ抑えられているという見方で良いものの、今回の利下げはほとんどの人がノーケアであったように思います。しかし、その割にはランドは対ドル、対円ともにあまり大きな動きにはなりませんでした。

南ア中銀の直近の金融政策変更は、2016年3月に6.75%から7.00%へと最後の利上げを行ってから、当時の水準に戻したということになりますが、利下げという観点では2012年7月に5.50%から5.00%へと引き下げて以来ちょうど5年ぶりの利下げということになります。多くの先進国がデフレ懸念も後退し緩和縮小局面に入ろうとしているのに対し、南アフリカはインフレ懸念の後退から緩和局面に入ったこととなります。

それぞれ方向は異なるものの時期的に似たようなタイミングということを考えると、世界経済全般が正常化しつつあるとも言えますので、よいことかもしれません。日本も早いところ正常化へと向かってほしいものです。

さて今週ですが、南アフリカ関連で目立ったところでは27日にPPIの発表があります。ただ、先週既にCPIが発表され金利引下げが行われたことで、今週の指標についてはあまり影響が少ないのではないかと考えられます。それよりもここに来て、トランプ政権の政治執行能力に対する懸念や、トランプジュニアの接した弁護士がスパイであった等、米国の問題が大きく、トランプジュニアの公聴会(26日、FOMC結果発表と同日)も開かれることから、今週はドルの材料、そして内容次第では一段のリスクオフから円買いの動きが懸念される週となります。

それでは、いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。

        ランド円、ドルランド、ドル円四時間足

        ランド円、ドルランド、ドル円四時間足

先週の高値8.74は5月末高値8.74と一致し、同水準を試す可能性が高いと見てランド円は買われる動きを考えたのですが、見事に同じレートで止められることとなりました。こうなると、明確に8.74を抜けてこないと次の上昇は考えることができません。そして、リスクオフによる円高の可能性があった場合には、結局はこれまでのレンジとなる8.34(5月安値8.09と5月末高値8.74との61.8%押し)をサポートとし、5月高値8.74をレジスタンスとする流れから抜け出せそうにありません。

現状では、上記5月レンジの半値押し8.42が、直近の7月安値8.34と先週高値9.74との78.6%(61.8%の平方根)押しである8.43と重なることから、同水準はランド高の流れが継続する可能性を考えると強いサポートになってくるものと考えられます。また更にその手前の61.8%押しとなる8.49レベルもサポートとなりやすい水準です。

今週は上記2つの水準の間に位置する8.45レベルをサポートに、8.74レベルをレジスタンスとする週を考えています。

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