前週の主要レート(週間レンジ)
始値 高値 安値 終値
ドル円 112.42 112.87 111.01 111.13
ユーロ円 128.99 130.51 128.57 129.60
ユーロドル 1.1473 1.1683 1.1435 1.1664
日経平均 20074.41 20157.11 19943.14 20099.75
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。
前週の概況
7月17日(月)
東京市場が休場ということもあってアジアタイムは同意薄、NY市場では米金利上昇に沿って112.87レベルの高値をつけた後、112円台半ばへと押して引けました。ユーロドルは、アジア市場では金曜の買いに対するポジション調整からじり安の展開となっていましたが、ユーロ圏のCPIが強かったことから反転、その後は改めてユーロ買いの動きとなって1.1487レベルと先週高値に近づいた後、やや押しての引けとなりました。
7月18日(火)
東京市場では共和党内の反対からヘルスケア法案が通らないとのニュースを受けドル売りの動きとなりました。ユーロドルが直近高値を上抜けストップオーダーを巻き込みながら水準を切り上げると、ドル円も円高の動きが強まり日経平均株価の2万円割れの動きとともに112円割れの動きとなりました。その後は112円台前半で落ち着いた動きとなっていましたが、NY市場に入りダウが大幅安となる中、ユーロドルが1.1583レベルまで続伸、ドル円も111.69レベルまで円高が進みましたが、ナスダックが高値更新となったことから引けにかけてはダウが急速に値を戻し、為替市場もドル買い戻しが出てドル円は112円に乗せての引けとなりました。
7月19日(水)
東京市場ではドル円はもみあい、前日安値がテクニカルなターゲットとほぼ一致したこともあって積極的に売る向きが少なかったことも影響した様子。いっぽう、ユーロドルはここまで順調に上げてきたことから、ECB理事会を前にした短期筋の利食いがじりじりと水準を切り下げる事となりました。その後の海外市場では両者とも方向感がはっきりしない展開が続きましたが、NY市場に入り米中経済対話がまとまらず、会見も中止されたことで改めてトランプ政権の政治執行力に対する懸念からドル円での円買いが入り、一時111.56レベルと直近安値をやや更新。しかし米株現物が主要3指数ともに最高値となったことから引けにかけてはやや戻す動きとなりました。
7月20日(木)
東京市場では株価の上昇も手伝って円安の動きが先行、黒田日銀総裁の会見も無風通過で欧州市場序盤には112.42レベルまで水準を切り上げました。ユーロはECB理事会を前に短期筋のポジション調整から上値の重たい展開となっていましたが、ドラギ総裁が会見でインフレに対して楽観的な見方と緩和縮小の議論を秋以降に行うとの発言から1.1658レベルまで急騰する動きとなりました。ドル円もユーロでのドル売りに押される中、トランプ大統領のロシアゲート問題に対する懸念も加わって111.48レベルまで円高の動きとなり、引けにかけてはやや戻したものの、ユーロドルは高止まりしたままでの引けとなりました。
7月21日(金)
東京市場では目立った動きは見られなかったものの、欧州市場序盤以降は弱い株価指数とともにリスクオフの円買いの動きとなりました。ロシアゲート問題が拡大する懸念があり、トランプジュニアと接点のあった弁護士がスパイであったこと、また26日に公聴会が開かれる予定となり、円買いが継続しやすい流れとなりました。ユーロドルもドル売り・ユーロ買いの動きが継続し1.1683レベルまで上伸ましたが、ドル円がリードしてのドル売りとなったこともあって、ユーロ円は130円の大台を割り込んでの引けとなりました。
今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)
今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。FRB地区連銀総裁講演の内、2017年FOMCメンバー(ニューヨーク、フィラデルフィア、シカゴ、ミネアポリス、ダラス)ではない地区連銀はカッコ付で示しました。わかりやすさ優先で、あえて正式呼称で表記していない場合もあります。
7月24日(月)
**:** IMF世界経済見通し改訂版
16:00 フランス7月製造業・サービス業PMI速報値
16:30 ドイツ7月製造業・サービス業PMI速報値
17:00 ユーロ圏7月製造業・サービス業PMI速報値
22:45 米国7月MarkIt製造業・サービス業PMI速報値
7月25日(火)
08:50 日銀会合(6月16日)議事要旨公表
15:45 フランス7月業況感指数
17:00 ドイツ7月ifo景況感指数
19:00 英国7月CBI製造業受注指数
22:00 米国5月住宅価格指数
22:00 米国5月ケースシラー住宅価格指数
23:00 米国7月消費者信頼感指数
23:00 米国7月リッチモンド連銀製造業指数
**:** FOMC(〜26日)
7月26日(水)
07:45 NZ6月貿易収支
10:30 豪州4〜6月期CPI
12:05 豪中銀総裁講演
15:45 フランス7月消費者信頼感指数
17:30 英国4〜6月期GDP速報値
23:00 米国6月新築住宅販売件数
23:30 米国週間原油在庫
**:** トランプジュニア公聴会(予定)
27:00 FOMC結果公表
7月27日(木)
10:30 豪州4〜6月期輸入物価指数
15:00 ドイツ8月GFK消費者信頼感
18:30 南ア6月PPI
20:00 トルコ政策金利発表
21:30 米国新規失業保険申請件数
21:30 米国6月耐久財受注、卸売在庫
21:30 米国6月シカゴ連銀全米活動指数
**:** クオールズ次期FRB副議長公聴会
7月28日(金)
08:01 英国7月GFK消費者信頼感
08:30 本邦6月CPI、7月東京区部CPI
08:30 本邦6月失業率、有効求人倍率
08:50 日銀会合(20日)主な意見公表
10:30 豪州4〜6月期PPI
14:30 フランス4〜6月期GDP速報値
16:00 スペイン4〜6月期GDP速報値
18:00 ユーロ圏7月消費者信頼感確報値
21:30 米国4〜6月期GDP速報値
23:00 米国7月ミシガン大消費者信頼感指数確報値
26:20 ミネアポリス連銀総裁講演
今週の週間見通し
思った以上のスピードで円高トレンドへと回帰してきました。既に7月11日の114.50で高値は確定、現在は6月安値108.83から7月高値への上げに対して、どこまで押しが入るのかを確かめる展開となっています。
ここに至るまでの材料としては、シカゴ筋の円売りポジションが溜まり、そこに慎重なイエレン議長の議会証言をきっかけにドル高の動きが止まりましたが、先週はそれに加えてヘルスケア法案の可決が困難であるとの話から始まり、さらにはトランプジュニアの発言から改めてロシアゲート問題の再燃とトランプ大統領周辺の今後の政治執行力に疑問符がついたことから、ドル売りの流れが決定的となった一週間でした。
シカゴのポジションは意外なことに先週火曜日終値段階でも円売りポジションが増加、前週の112,125枚から126.919枚とかなりの高水準の円売りとなっています。ユーロの買いも増えポンドの売りが減っているなど、ユーロ円を始めとするクロス円での円売りが中心と考えられますが、リスクオフに動きやすい流れの中での円売りポジションの増加ということで、今後の展開次第では円買い戻しに繋がりやすいということは認識しておきたいところです。
また今週の材料として、26日にトランプジュニアの公聴会があると同時に、26日にはFOMCの結果発表があります。まずは、トランプジュニアと関わりのあった弁護士がスパイであったという点についてどのような質疑が行われるのか、内容次第では大きなドル売り爆弾に発展する可能性があります。また、FOMCでは前回の議会証言でハト派よりであった議長や、他のFOMCメンバーが実際にどのように考えているのかを知るという点で注目が集まります。
また、あまり材料視はされていないものの、現在空席のFRB高官の席に次期FRB副議長(定員2)となる予定のクオールズ氏の公聴会が27日に予定されています。同氏は銀行監督の責任者となり、これまでの規制強化から規制緩和へと転じる流れを加速させる可能性が高い人物です。また、金融政策に関するスタンスはやや変わっているテイラー・ルール(政策金利の適正値をマクロ経済の指標で定める関係式)を支持していると言われ、今後の金融政策にどのような影響が出てくるのかは就任後に注目されます。
上記のような材料の中、中期的にはドル円以上の勢いでここまで上げてきたユーロドルが、超長期の変形トリプルボトムを完成させてきたこともあり、バイアス的にはドル安・円高の方向に動きやすい地合いの週となりそうです。テクニカルな面からも見てみましょう。日足チャートをご覧ください。
すでに年初来高値からのレジスタンスを上抜けた後、さらに下回る動きとなったため、現在は7月高値からのレジスタンスとそれに平行に引いた下降チャンネル(ピンクの平行線)の中での推移を続けていると考えることができます。この平行チャンネルはやや角度が急ですが、その前の上げも同様の角度となっていました。今週はレジスタンスラインが111円台後半から110円台後半へと水準を切り下げ、平行ラインは111円台前半から109円台後半へと水準を切り下げています。
6月安値と7月高値のフィボナッチリレースメントを見ると、61.8%が110.99と既に達成していますので、次のターゲットとなるのは78.6%(61.8%の平方根)押しとなる110.04でこれは上記平行ラインともほぼ一致する水準です。ユーロドルの一段高、ドル円の一段安とテクニカルにも更なるドル売りに注意すべき週になるものと考え、今週は110.00レベルの大台をトライする流れを想定、109.80レベルをサポートに、111.80レベルをレジスタンスとする週を見ておくこととします。
ドル円(日足)チャート
このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみ平均足と同様とすることで、短期的な方向性(緑=上昇、赤=下降)を見やすく加工した当週報独自のチャートとなっています。また、国内外で人気の高い一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。トレンドラインは週初の段階で過去一定期間から自動的に表示される自動トレンドライン(無い場合もあります)となっています。
ディスクレーマー
アセンダント社が提供する本レポートは一般に公開されている情報に基づいて記述されておりますが、その内容の正確さや完全さを保証するものではありません。また、使用されている為替レートは実際の取引レートを提示しているものでもありません。記述されている意見ならびに予想は分析時点のデータを使ったものであり、予告なしに変更する場合もあります。本レポートはあくまでも参考情報であり、アセンダント社および二次的に配信を行う会社は、為替やいかなる金融商品の売買を勧めるものではありません。取引を行う際はリスクを熟知した上、完全なる自己責任において行ってください。アセンダント社および二次的に配信を行う会社は、本レポートの利用あるいは取引により生ずるいかなる損害の責任を負うものではありません。なお、許可無く当レポートの全部もしくは一部の転送、複製、転用、検索可能システムへの保存はご遠慮ください。
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.12.05
東京市場のドルは149円台で推移、中村審議委員の発言で円買い強まるか(24/12/5)
東京時間のドル・円は、日本銀行の中村豊明審議委員が、「利上げに反対しているわけではない」と発言したことで利上げ実施観測が高まり、149円70銭台まで下落した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.12.05
ドル円 日米金融政策めぐり右往左往、値動き荒い(12/5夕)
東京市場は弱含み。前日NYでは再び151円台までドル高が進行していたが続かず、149円台まで押し戻されている。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.12.05
ドル円、底堅さも感じられる中150.50を挟んでの動き (12/5午前)
5日午前の東京市場でドル円は150円台半ばでのもみ合い。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2017.07.24
ドル円 一時111円割れ下値リスク依然強い(7/24夕)
週明け24日の東京市場は、「行って来い」。一時ドル安・円高に振れると111円割れ、直近安値を更新したが、
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2017.07.24
ドル円見通し 5月下落時並みの展開(週報7月第四週)
ドル円は6月15日未明のFOMCでの利上げから上昇、7月11日深夜に114.49円まで上昇、6月15日未明安値108.84円から5.65円幅の上昇となった。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。