ユーロ続伸、長期上昇局面へ突入か?
昨晩ドラギECB総裁の発言等で上昇したユーロは東京時間もじりじりと上昇、1.1350を突破して欧州勢再参入後一時1.1388をつけています。
昨夕ECBのドラギ総裁がポルトガルで行った講演で、インフレ抑制要因に対する楽観的な見方を示したことに加えて「すべての兆候はユーロ圏の景気回復の力強さと広がりを示している。デフレ圧力はリフレに変わった」と発言、更に「金融スタンスを維持するために」政策手段調整もありうるとの見方を示したことが、従来の緩和スタンスの変化の兆候と捉えられユーロは急伸、節目と見られていた1.1300を上抜け1.1349まで上昇。その後一旦は反落しましたが、アジア時間に入り再度ユーロに買いが集まり、日中1.1350がらみの動きの後に更に欧州勢再参入後に一段高となり東京時間18:30現在は1.1360レベルで取引されています。
昨晩以降ドル円での円高があまり進まなかったこともあり、ユーロは対円でも大幅に上昇、東京時間に一時127.84の高値をつけ127円台での取引です。
未明のFRBイエレン議長の講演では、FOMC時の米経済に対してやや強気のトーンが緩んだ部分が感じ取られ、昨晩は米欧金融当局いずれもが市場の見立てに寄ってきた形となりました。結果10年もの国債の米独利回り格差は昨日約0.08%縮小、ユーロドルの上昇の主要な裏づけとなっています。
約一ヶ月に亘る膠着を抜けユーロは再び上昇基調に入りました。ここから先のターゲットはブレグジット急落前の1.1428(2016/06)、2016年高値の1.1616(2016/05)あたりとなります。
ユーロが政治的経済構造的な変化を背景に年初来高値を更新してきた意味は大きく、今後はより長期の視点でユーロがリーマンショック以降の長期低迷状態から抜け出せるかの議論が可能となってくるでしょう。
今晩は22:30からECBドラギ総裁、BOEカーニー総裁らがパネルディスカッション。
序盤の欧州株価指数先物は続落して始まっています。
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