ドル円 海外時間は112円台を維持
欧州主導の展開続く
28日の海外為替市場では前日に引き続き欧州通貨主導の動きとなる中でドル円は112円台前半で堅調に推移しました。
前日ユーロの急伸につながったECBドラギ総裁の「タカ派」発言については、ニューヨーク市場序盤にECB当局者が「市場の誤解」ととらえていると報じられ、また、コンスタンシオECB副総裁が「ドラギ総裁は何も新しいことを言わなかった」と述べたこともあり、ユーロは21:00ごろ対ドルで急落、ポジションがユーロ買いに傾いていたこともありストップロスをつけて一時1.30を割り込む展開となりました。
しかしその後の英国中銀のカーニー総裁、ドラギ総裁、黒田総裁らのパネルディスカッションでドラギ総裁から「市場の誤解」について一切発言が無かったこと、更にカーニー総裁が英中銀の景気刺激策の一部の解除が必要となる公算は大きい」と発言、ポンドが対ドルを中心に急上昇したことで、ユーロは反発、結局急落前の1.138レベルに戻す荒い値動きとなりました。
欧米で相次ぐ中銀のタカ派への舵取り修正と取り残される日本
珍しく欧州通貨主導の展開が続く中、ドル円は蚊帳の外。ユーロやポンドが乱高下する局面でも112.00-35レンジの中で堅調に推移し、アジア時間早朝は112.30レベルでの取引となっています。
NY株は原油先物相場が落ち着きを取り戻していること、欧州中銀総裁の発言によりリスク許容度を増していることから反発、前日比143.95ドル上げて21,454.61ドルで終了しました。
昨晩はカナダ中銀のポロズ総裁も「利上げは役割を果たした」と発言するなど、中銀総裁のタカ派寄り姿勢が流行のように広がる中で、ドラギ、カーニー両総裁とおなじパネルの中で日銀黒田総裁は「企業は支出の拡大に依然慎重」と相対的に弱気の発言。米欧における金融引き締め観測と対比をなして円は独歩安の様相です。
112円台の定着を見極める動きか
昨日ドル円は小動きでしたが、チャート的には111円台後半の日足一目均衡表の雲の上限を終日上回り、5月の高値114.37を起点とする6月安値108.83からの61.8%戻し112.25も終値ベースでクリアしておりドル高円安方向へ伸ばしやすい位置取りです。しばらくは110-112で長く続いたレンジ相場からの上放れの確認がドル円のテーマとなりそうです。
本日この後8:50から本邦6月の小売売上高の発表があります。
オーダー/ポジション状況
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