WTI長期チャート
米国株が最高値更新を続ける中、円相場は上下を繰り返しなかなか方向感が出ない流れとなっています。そんな中で一人負け状態に近いのが原油価格で、カタールと中東7か国の断行も原油価格が下がるきっかけとなりました。通常ですと中東の緊張は原油価格の上昇につながるはずですが、今回はカタールとの断交がOPEC、非OPEC協調して来年3月まで減産する枠組みが継続できなくなるリスクがあるとの判断のようです。
なかなか難しい解釈ですが、テクニカルにも原油価格が弱い流れは続いていますので、今回はWTI週足(期近つなぎ足)で長期の動きを見てみましょう。あまり高い水準から見ても仕方ないので、2015年の戻し高値から今秋までの動きです。
WTI週足(期近つなぎ)
まず、気づくのは2016年末から2017年初にかけ明らかに天井圏を形成し、現状は下値をトライしやすい流れにあることです。今年に入ってからの動きも高値安値とも切り下げる下降トレンドとなっていて、2016年2月安値26.05と2017年1月高値55.24との38.2%押し44.09が現在の水準で、半値押しの40.65を試しやすい流れにあると考えられます。
近いところでは4月高値から5月安値への下げ、その後の5月高値への戻しから計算される逆N波動のフィボナッチエクスパンションの127.2%(161.8%の平方根)が39.28と大台40ドル前後にターゲットがあり、上記半値押し40.65も含めて40ドルは心理的にもサポート兼ターゲットとなりやすい価格と言えます。
原状40ドルの大台を簡単に割り込むまでの悪材料は無いものの、引き続き余剰感があることを考えると、最大限2015年高値を起点とする逆N波動による50%フィボナッチエクスパンション36.01(直近4月からの161.8%エクスパンションも35.82とほぼ一致)が最終的なターゲットとなると言えるでしょう。
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