ポンド、ザラバのギャップ
選挙直後の英紙のヘッドラインには「メイ首相、ギャンブルに負ける」といった具合で英選挙速報が大ニュースとなっています。
当初圧勝と言われていた与党保守党は選挙戦終盤の労働党の追い上げで過半数さえも取れないとの見方となっていました。本日日本時間午前6時の投票終了直後に発表された出口調査では、総議席数660に対して、保守党が改選前330から314議席へと減少、いっぽうで労働党が改選前229から266へと大幅に議席を伸ばす予想が出ました。
以下の60分足チャートをご覧いただくとわかりますが、この結果を受けポンドは急落。NY終値1.2950から発表直後には1.2713まで下げ、その後1.2828まで反発したものの1.2692へと反落、非常に荒っぽい値動きを見せています。
ポンドドル時間足
さて、為替取引は24時間取引であり週末でも無いのに何故ザラバでここまで大きなギャップを空けることになったのか、お分かりでしょうか。
今回は、投票時間締め切りが午前6時とNY終値と一致していたこと、また投票に影響を与えないよう出口調査の結果が投票締め切り後の発表となっていることから、終値と始値にここまでのギャップが空くことになったのです。これは選挙に限らず、一般の経済指標でもあり得ることで、情報ベンダー各社は指標発表前に、リリースは〇日〇時〇分以降と注意書きが付いた指標を予め得ています。私も発表後にそうした原稿を見たことがありますが、発表時刻と同時にポーンと結果が出せる仕組みはそこにあります。
もし、この取り決めを破って先に出そうものなら、二度ともらうことが出来なくなるため、各ニュースベンダーともそのあたりは慎重の上に慎重を重ねて情報を扱っています。最近でこそ見ませんが、以前は稀に事前に出てしまったこともありましたが、おそらくデスクの首が飛ぶくらいの処分があったものと思われます。
本日はFXのような24時間取引でもザラバでギャップが空くことがある背景について書いてみました。
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