先週の動き
先週のユーロドルは週前半は6月8日のECB理事会をはじめとするイベント日を控えつつも、1.12台で底堅く推移しました。ただし、ECB理事会への警戒感も強く前週の高値1.1285はわずかに下回りセッションの高値更新とはならず、上値の重さを認識すると7日の海外時間には反落し、1.12台半ばを中心とした荒い動きとなりました
迎えた8日のECB理事会ではフォワードガイダンスで今後の利下げ可能性に言及する文言が削除され、経済成長見通しのリスクに関しても「概ね均衡している」とこれまでの下方リスクを意識した文言から前進しましたが、インフレ見通しを17年1.5%、18年1.3%、19年1.6%と下方修正したことが中期的な金利の低位安定をもたらすとしてユーロに売り圧力が強まり一時1.12を割り込みました。更に9日には事前に予想されていたこととはいえ英国議会選挙で保守党が過半数割れまで議席を失うとポンド下落にユーロもつれ安、再び1.12を割り込み1.1165と下値を広げた後1.1195で越週。
概況と今週の見通し
週末に行われたフランス国民議会(下院)選挙の第一回投票は日本時間12日未明3時に投票が締め切られ、直後の調査ではマクロン大統領の新党「共和国前進」が7割の議席を獲得する圧勝の勢い、英国議会選挙とは対照的な結果となりそうです。フランスの国民議会選挙は小選挙区制で当選には過半数の得票が求められるため、多くの選挙区では18日に決選投票が行われる見込みですが、最終的なマクロン新党の議席獲得数は430議席に上ると見込まれています。一方マクロン氏と大統領の座を争ったルペン党首の極右政党の議席獲得数は10議席前後の予想、英議会選挙とは対照的な与党圧勝の様相です。
先週末のユーロが売りはここまでのユーロのほぼ一方向の上昇に対する警戒感が高まったことによるものといえ、ここへきてユーロは上値を伸ばせない状況が続いています。
今週は、15日にユーロ圏財務相会合が予定されており、前回不調に終わったギリシャ支援に関するIMF参加を前提とした追加融資問題が再び討議される見込みです。前回先月の会合ではEU圏の各国の債務削減が不十分として予想外の決裂に終わっており、今回妥協点を見つけられないと7月の一部債務の期日にギリシャのデフォルトの可能性が高まりことへの懸念が、ユーロの頭を重くしています。
今週は13-14日米FOMCでの利上げが予定されているなどドルサイドも波乱含みで、FOMCで年内再利上げの可能性が高まった場合や、ギリシャの支援問題がまとまらず、デフォルトリスクが強く意識される可能性も無視できず、その場合にはとりあえずは1.1100レベルでの攻防となりそうです。
一方で、ユーロ圏取り巻く状況に大きな変化はなく、また、先週のフォワードガイダンスの変更はインフレ率見通しの下方修正に隠されたものの大きな転換点と考えられます。
先週末一時ザラ場では下抜けたもののユーロの今回の上昇局面の大きなきっかけとなった21日平均線は先週末で1.1180(本日は1.1193前後)と一応サポートとしてまだ機能しており、底堅さも確認されており、今週ギリシャ問題にめどがつけば、フランスの議会選挙での「プチユーフォリア」もあってユーロは1.1285、1.1300といった近めのターゲットを上抜けて新たな局面に入る可能性が高いと考えます。
オーダー/ポジション状況
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