3. メイ首相、返り討ちにあうも政権は維持か（6/9夕）

メイ首相、返り討ちにあうも政権は維持か（6/9夕）

注目の英議会選挙は事前に保守党の苦戦が伝えられていましたが、結果は保守党が過半数を失う「ハングパーラメント」の状態となり、

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メイ首相、返り討ちにあうも政権は維持か（6/9夕）

英メイ首相、労働党の返り討ちにあうも政権は維持か

注目の英議会選挙は事前に保守党の苦戦が伝えられていましたが、結果は保守党が第1党を維持しつつも過半数を失う「ハングパーラメント」の状態となり、かわって第二党の労働党が票を伸ばす結果となりました。
選挙前650議席のうち330議席を確保していた保守党は選挙後317-20に議席に減らし、単独過半数の326議席を割り込みました。
メイ首相は選挙後続投を表明、10議席を確保した北アイルランドの小規模政党DUP
（民主統一党）との連立を模索見込みです。

保守党の敗因についてはタイミング悪く発生した国内の無差別テロにより、警察等の予算を減らす緊縮策をとってきた保守党政権への不信感が募ったこと、党首討論にメイ首相だけが欠席したこと等の複合的な要因が作用したとされていますが、結局はメイ首相の推し進めようとしていたハードブレグジットを英国民が支持しなかったと素直に解釈するのが正しいのではないでしょうか。

やらずもがなの繰り上げ総選挙を実施し単独過半数を失ったメイ首相への保守党内部での風当たりも強そうで、今後政権を維持できたとしても政権運営やこれからのブレグジット交渉への負荷はこれまでの比ではないでしょう。

そもそも保守党が負けることを想定していなかった選挙のためEUとのブレグジットの交渉開始は2週間後に迫っており、政権樹立やメイ首相の進退問題に手間取れば、体制が整わないままハードブレグジットに向かう英国の利益は薄いでしょう。

投票が締め切られた日本時間の早朝６時の時点で対ドル1.2956の水準で取引されていた英ポンドは、出口調査の結果保守党の獲得議席が314に留まるとの報道に瞬時に1.2750近辺まで下げ、更に午後に過半数割れが確実になると一時一段安の1.2636の安値をつけその後は1.27台前半の取引です。

ユーロは朝方のポンド下落局面では1.1180レベルを踏みとどまり、その後は1.12を回復していましたが、欧州時間に入ってポンドが下落幅を広げるとユーロも対ドルでつれ安となり一目均衡表の転換線（1.1198）21日移動平均（1.1179）等の主要サポートも一時下抜けて日本時間１８時現在は1.1180レベルでの取引です。ユーロに関しては昨日のECB理事会でのインフレ見通しの下方修正の余波もありそうです。

ただ、英国の保守党が多少議席を失ったり政権運営が不安定化したところで、引いてみれば英国以外にさほどの影響はなさそうで、今晩英政権の方向性が定まった後はポンドがらみ以外の為替市場は元の落ち着きを取り戻すものと思われます。

メイ首相は日本時間18時から予定されていた記者会見には現れていませんが、日本時間20時半に新たな政権の設立の許可を得るためにバッキンガム宮殿に向かうと報道されています。

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