ドル戻り歩調,底堅い値動きか
9日の東京市場は、ドル高・円安。109円台で安寄りしたものの、その後110円台を回復したとあとはほぼ下回ることもなく、ドルは底堅い値動きをたどっている。
東京時間午前6時、注目材料だった「英総選挙」の投票が締め切られると、即座に一部メディアが出口調査の結果を発表した。その内容は、おおむね「与党・保守党は過半数に満たない」といった内容で、これを嫌気しポンドが急落する形で東京時間が始まっている。
そんな英選挙結果は、ドル/円にもわずかながら影響を及ぼし、前日のNYが110円前後で大引けるなか、東京は109.80円レベルで寄り付いた。ただ、ドルは大きく続落することもなく、109.70-75円で下げ止まると反発へ。日経平均株価が大引けベースで104円高、2万万円の大台を回復したこともあり、夕方にかけては110.50円近くまで上昇、16時時点でも110.45-50円と終日を通したドルの高値圏で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、前述したように安寄りしたポンドは、その後も冴えず。とくに対ドルでは続落すると、欧米時間にかけては、さらに下落幅を拡大させている。
材料的には、5月の中国生産者物価ならびに同消費者物価が発表されたものの、影響は限定的。
それよりむしろ、英総選挙に絡む要因、たとえば「北アイルランドDUP、過半数割れの英与党との連立協議に前向き」との報道や、英BBCによる「メイ英首相は辞任の意向なし」とのニュースなどに対し、ポンド相場を中心とした反応が観測されていた。
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個人的には、ドルが予想以上の戻りをたどっている印象だ。まだ完全に超えたわけではないものの、ドルは反発した場合でも、110.40-45円に位置する移動平均の200日線が強い抵抗になるだろうと推測していたからになる。
ともかく、このあとも200日線をめぐる攻防は要注意で、本日は週末ということでNYクローズが同レベルをしっかり上回る格好で大引けるようだと、来週以降さらなるドルの戻りを否定できなくなりそうだ。
テクニカルに見た場合、4月24日に空けたギャップをしっかり埋めきったあとのドルの反発となっている。チャートの形状を見ても、4月安値と今回安値でダブルボトムを形成した感があり、ドルの強気派にとっては心強いモノだろう。
そんな強気派にとって、移動平均の200日線をしっかり超えた際の上値メドは高値114.38円を起点とした下げ幅のフィボナッチ38.2%戻しに当たる111.10-15円か。ちなみに、同レベルには移動平均の13週線なども位置している。
一方、材料的に見た場合、経済指標の発表など米国に関する材料がまったくないわけではないが、それほど重要な要因は見当たらない。昨日大きな材料をこなしたこともあり、単体では動きにくい雰囲気も指摘されている。
ただ、イベント通過で「リスク回避」を旗印に買われてきた円の求心力が低下している感も否めず、クロスを中心としたポジション調整が進み、ドル/円もさらなる上値を試す展開を予想する声も聞かれていた。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.90-111.10円。ドル高・円安方向は、足もとの200日線をめぐる攻防がまずは注視されるが、超えた場合には111円台回復が視野に捉えられそうだ。具体的には111.10-15円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、110円や109.80円レベルなどが一応のフシではあるものの、それほど強いものではない。そうした意味では再び崩れた場合、大きく下げる可能性もないではないが、むしろイメージ的には底堅そう。(了)
オーダー/ポジション状況
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