注目のECB理事会で金融政策は予想通り据置。
注目のECB理事会で金融政策は予想通り据置。
ただし、声明で金利に関しては「長期にわたり今の水準に据え置く」と明記、従前の「今の水準かそれよりも低い水準に据え置く」から変更し、マイナス金利の拡大を排除しました。マイナス金利の拡大の消滅は歴史的転換点と言えます。
一方ドラギ総裁は記者会見冒頭、成長見通しのリスクについては概ね均衡していると前回の下落方向へのリスクへの言及から上方修正、他方インフレについては景気拡大が力強さにつながっていないと表現、見通しを17年1.5%、18年1.3%、19年1.6%と下方修正しています。これらの材料が抗悪相殺してか結論部分の「有事には資産購入プログラムを規模と期間の点で拡大する用意がある」という部分には変更がありませんでした。
ユーロドルは乱高下、1.1262まで上伸後、1.1195まで下押すも底堅く、上下動の収束後は1.1220レベルで推移しています。
成長見通しの上方修正と、インフレの下方修正で大雑把には相殺で市場への影響はなし。
市場は成長見通しの上方修正に賭けて上昇してきた分Sell on the fact の動きとなっています。しかし、今晩他の材料も控えていることもあり、「マイナス金利の拡大可能性の消滅」は十分市場に反映されたとは思えず、ユーロの弱含みはこの重要なポイントの消化不良の結果と考えます。インフレの下方修正による瞬間的な下押しが1.1195までで留まったことも考えれば、今晩の他のイベントを無事乗り越えた場合にはユーロは時間をかけて再び上昇局面に戻る可能性が高いと考えます。
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