<< 先週の回顧 >>
先週のドル/円相場は、一時ドル安に振れるも終わってみれば「行って来い」。ドルが弱かったのは週初5日から週半ば7日の東京時間までで、以降は週末にかけて買い戻しの動きが優勢だった。
「荒れやすい週初月曜日の早朝相場」−−は先週も顕在。週末に報じられた「英ロンドンで再びテロ発生、7人が死亡」とのニュースが材料視され、リスク回避志向の動きからやや円買い優勢でスタートしている。先週末のNYが110.40円台で大引けるなか、110.30円台とわずかながら、上方向にギャップを空けて寄り付いた。
そのまましばらくは、110.30円前後を下値に底堅く推移したが、6日に割り込むとそのまま一気に109円前半までドルは下落している。同日、日経平均株価が終値ベースでも2万円の大台を割り込むなど大幅安をたどったことが嫌気され、為替も円買いが先行したが、週間安値の109.12円を記録後はドルが急回復。週末にかけては110.81円まで値を上げ、週間高値をつけたあとは、さすがに緩むも110円台を維持、110.30-35円で1週間の取引を終えている。
なお、それとは別に8日に実施された「英国総選挙」の結果を受けて、ポンドが大荒れ。対円や対ドルでは、8日から9日にかけて上方向に大きなギャップを空けて寄り付いた格好とあり、しかもそれを埋めきれないままでの越週となった。
一方、英国情勢以外の材料的としては、週初に「バーレーン、サウジなど7ヵ国がカタールとの国交断絶を発表」したほか、8日には「北朝鮮が飛翔体を発射した」とのニュースも聞かれたが、ともにマーケットへの影響は限定的。
また、同じく8日には注目の「米コミー前FBI長官の議会証言」が実施され、「トランプ氏は忠誠を要求、フリン氏捜査終了希望を述べた」などと発言したものの、むしろ悪材料出尽くしの思惑などが強く、市場としてはドル買いの材料になっていた感がある。
<< 今週の見通し >>
チャート的にはドルの下値トライは失敗したように見えることに加え、やや不格好だが4月安値と先週安値でダブルボトムを形成している感もうかがえる。下値を積極的には攻めにくいのかも知れない。
材料的には、13-14日に実施されるFOMCでの米利上げが確実視されており、日米の金利差の注目度が高まるなら、リスクはむしろドル高・円安方向にバイアスか。複数のチャート分析でテクニカルポイントが集中している111円台前半を超えれば、112円台回復も視界内に捉えられそうだ。
テクニカルには、前述したように111円台前半に複数のテクニカルポイントが集中している。実際に幾つか例を挙げると、ドル高値114.38円を起点とした下げ幅の半値(50.0%)戻しは111.10-15円であり、また移動平均の13週線は111.10円レベル、週足・一目均衡表の転換線は111.25円レベル−−に位置していた。それらをしっかりと抜ければ、112円台が現果的なターゲットとして意識されることになりそう。111円台前半、大雑把に言って111.10-30円程度のゾーンをめぐる攻防にまずは注意を払いたい。
一方、材料的には、週明け12-13日に実施される米国債の入札や、豪中の経済指標発表、日銀の政策金利発表などのイベントも要注意だが、なんといっても、最大の要因は13-14日の米FOMCだろう。ちなみに、すでに6月利上げは織り込まれており、実施されても影響は軽微か。焦点はむしろ、次回の利上げ時期や今後の利上げペースといったもので、過去のジンクスから考え、「利上げ実施の材料出尽くし」ということでドル安・円高の進行リスクを警戒する声も一部で聞かれていた。
また、それとは別に、ここのところ毎週のようにミサイル発射が確認されている北朝鮮情勢や、13日に「セッションズ米司法長官が露疑惑で証言実施を行う」ことなどにも一応の注意を払いたい。
そんな今週のドル/円予想レンジは、109.20-111.70円。ドル高・円安については、まずは先週高値110.80円レベルの攻防が注視されるが、抜けると111円台前半がターゲットに。そのレベルもクリアすれば、いよいよ112円台回復が現実のものとして意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、110円前後が最初のサポートで、下回ると週初は110.40円前後に位置し、緩やかな上昇をたどる移動平均の200日線をめぐる攻防が注視されよう。なお、200日線はザラ場ベースの動きだけでなく、NYクローズで上回ったまま推移し続けるかどうかも注目されている。(了)
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.22
ドル円、下落後に反発するなど底堅い動き。上昇トレンドの継続を想定(11/22朝)
21日(木)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.21
東京市場のドルは154円台後半で推移、今晩も要人発言で上下に動く可能性アリ(24/11/21)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、時間外の米10年債利回りも上げ一服となったことでドルは一時154円台を付ける場面も見られた。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.21
ドル円 地政学リスクくすぶるも再びレンジの様相に(11/21夕)
東京市場は一転してドルが弱含み。とくに終盤下げ足を速めている。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:山中 康司
2017.06.12
FOMC後にドル売り再開か(週報6月第二週)
先週は英国総選挙で与党保守党が過半数割れとなったものの選挙戦終盤での予想に沿ったものであり、ポンドの値動きも他通貨への影響も思いのほか落ち着いていたようです。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2017.06.12
ドル円週間見通し(週報17年6月第二週)
6月13日から14日に米連銀FOMC(連邦公開市場委員会、金融政策決定会合)が開催される。日本時間15日午前3時に声明発表、3時半から議長会見がある。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。