ユーロ足場固め、スピード調整から頭の重い展開か
ユーロ先週は高値更新後、週後半は反落
先週のユーロは対ドル1.12台を中心に週前半はユーロ高値圏での底堅い動きとなりましたが、1.1300の高値を試す勢いはなく週末には反落、1.1183で終了しています。
先週は、ドイツや欧州圏の強めのPMI等の経済指標、独メルケル首相の「ユーロは弱すぎる」との発言や、米ドルサイドも公開されたFOMC議事録で一部のメンバーが最近の経済指標の悪化から米景気の先行きに対して慎重な見方をしていることが明らかになり、ユーロは堅調に推移、ユーロドルは一時1.1268の高値をつけました。
しかし週末に発表された米1QのGDP改定値が思いのほか強く、ドル買いの動きとなったことでユーロドルは反落、結局週初の始値を下回って越週し、週足では陰線引けとなりました。
一方ユーロ円は、週前半はドル中心の動きとなったため大きく変化せず125円台での小動きとなりましたが、週末ユーロが下落した局面で、ドル円は前日の原油先物急落等の市場混乱からのリスク回避の動きで買いが入ったためにユーロ円は124円台半ばまで下落して終了しています
投機的ユーロ買いの積み上がりに警戒感も
先週は特に前半はユーロの材料が交錯する中でユーロ買いの材料を選んで反応している感じがありました。
実際、ギリシャへのEU諸国とIMFの追加融資が先延ばしとなり、潜在的には大きなユーロ安リスクがあることや、メルケル首相の「ユーロ安悪者説」もECBの金融緩和継続姿勢を批判するドイツの従来の姿勢の延長線上ででてきた発言に過ぎず為替の誘導意図は感じられないこと、よく独立を保っているECBのドラギ総裁が金融緩和継続姿勢を繰り返し説明していることから6月8日の次回会合で簡単に方針が覆る雰囲気も無いなど、ユーロ売り材料を未消化のまま先送りしているのも事実です。
5月23日までのIMM通貨先物のユーロ買いポジションが2014年3月以来の高水準となるなど、投機的なユーロ買いの動きが強まりつつあり、そんな中での買い材料探しだったといえます。
一方で一部では急速なユーロ高への警戒感が高まりつつあります。そんな中での先週後半のユーロの反落は、ユーロのスピード調整入りを連想させるものであり、今週も出だしのユーロの頭は重そうです。
大きな流れは変わらずユーロの下値は限定的
ただ、ユーロ圏の経済の堅調と長期的な金利上昇、相対的な政治の安定といった大きな構図の変化によるユーロへの資金の流れはゆるやかに続いていくものと考えられることからユーロの下値も限定的と思われ、今週のユーロは足場を固める動きが予想されます。
下値めどとしては今回の上昇のトリガーとなった21日移動平均線(現在1.1042レベル)や1.1000、上昇前に長くもみ合ったフィボナッチ61.8%1.1093あたりを今週は意識でしょうか。
一方意外に早く調整が終了する最近の傾向を踏まえれば、再度の上値追いも十分ありうるシナリオで、その場合まずは1.1200との位置関係、そして先週高値1.1268、昨年11月高値1.1300がターゲットとなります。
今週の予想レンジ1.1090-1.1300
今週は本日月曜日、米英市場が祝日で休場、その後は5月30日の消費者信頼感指数、5月31日の5月消費者物価指数等の経済指標に注目です。
今週の予想レンジは1.1090-1.1300
ユーロドル到達確率チャート
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