NZ金融政策結果を受けN$急落(5月11日開催)
政策金利不変、緩和基調維持
本日、NZ中銀はキャッシュレート(中銀政策金利)を現行の1.75%に据え置きを決定しました。今回の据え置きは予想通りの結果となりました。
要旨内容は前回(3月)と基本的には同じ内容となっています。但し、4月に発表された第1四半期消費者物価指数が中銀目標値の半ばまで達成したことで、今回の中銀要旨を気にする向きがありましたが、消費者物価の上昇は貿易関連価格の上昇によるものでこれまでの緩和基調は維持すると述べており、市場の一部にあった期待感は裏切られた結果となっています。また、NZドル安の好影響に付いても前回同様に歓迎意向となっています。
結果を受けNZドル急落
NZドル/米ドルは金融政策発表前に0.6935〜40米ドルで推移していましたが、緩和基調継続内容に0.6820米ドルまで急落しました。一気に0.6840米ドルサポートを切って、次は0.6760〜70米ドルを伺う流れにいます。更に勢い付くと0.6670〜80米ドルまで下値余地が広がります。このNZドル安トレンドを解消するためには最低でも0.6980米ドルを越える戻りが必要となります。
この急落でシカゴポジションのNZドルショートがどの様にでてくるか注目されます。(5月11日11:00、1NZドル=0.6825米ドル)
中銀声明要旨
中銀の要旨は以下となっています。
(中銀声明要旨)
理事会は本日、オフィシャルキャッシュレートを1.75%のまま据え置いた。
世界経済の成長は拡大し、ここ数か月ではその(地域)範囲が広がった。しかしながら、不均衡拡大や政治リスクが広がっている。
世界経済のより強い需要が商品価格上昇を支え、NZとの貿易パートナーのインフレを上昇させている。しかしながら、コアのインフレは依然として低いままである。金融政策は先進国で緩和基調を維持しているが、先々では幾分減じられてきている。
貿易加重平均の為替は今年2月以降5%下落した。これは世界経済の拡大や金利差の要因もある。もしこれが維持できれば、貿易部門の先々のリバランス(注:現在NZは年間通して貿易赤字傾向)の手助けになり、勇気づけられることである。
2016年下半期のGDPは予想を下回った。にも関わらず、成長はプラスを維持している。これは緩和基調に助けられ、強い人口増、高水準の家計支出と建設活動に支えられている。
住宅価格インフレは緩やかに進んだ。とりわけオークランド地域で起きている。住宅価格の緩い上昇は、ローン総額に対する借入制限や厳しくなった借入スタンスに起因している。この緩やか感は今後も継続すると思われる。但し、需給のインバランスの崩れが起きるリスクが生じる可能性はあるが。
現状の3月期インフレは主に、貿易関連取引から高まっている。とりわけ原油と食料価格である。これらの影響が一時的であり、先行きのインフレに変化を与えるかもしれない。非貿易関連や賃金インフレは依然緩やかである。しかし、徐々に上昇していくと予想している。これにより中期的に目標インフレ幅の中間まで持ち上げてくれるかもしれない。長期的インフレ期待はまだ約2%の予想になっている。
2月の金融政策会合以降、金融政策スタンスは中立と考えている。金融政策は今後暫くの間緩和基調を維持し、その政策が時間経過で調整してくれるとみている。
(要旨は以上)
(注)NZ中銀金融政策会合要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。
次回の金融政策は2017年6月22日に予定されています。
(以上)
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.11.22
ドル円見通し 21日夜からの反落で一時154円割る、日銀総裁は12月利上げの可能性排除せず(24/11/22)
ドル円は21日深夜には153.90円まで安値を切り下げた。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.22
ドル円、下落後に反発するなど底堅い動き。上昇トレンドの継続を想定(11/22朝)
21日(木)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.21
東京市場のドルは154円台後半で推移、今晩も要人発言で上下に動く可能性アリ(24/11/21)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、時間外の米10年債利回りも上げ一服となったことでドルは一時154円台を付ける場面も見られた。
-
ニュージーランドドル(NZD)の記事
Edited by:川合 美智子
2017.05.11
短期はNZ強気を維持。79〜80円に壁(17年5月第二週)
ニュージーランド中銀は本日(11日)、市場の予想通り政策金利の据え置き(1.75%)を発表しました。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。