5月9日高値突破、さらに一段高期待(5/11)

5月10日未明に114.33円まで上昇して4月17日安値108.11円以降の高値を更新。10日の日中は114円到達に対する高値警戒感から利食い先行となって113.60円台まで押したが、

5月9日高値突破、さらに一段高期待(5/11)

<概況>

5月10日未明に114.33円まで上昇して4月17日安値108.11円以降の高値を更新。10日の日中は114円到達に対する高値警戒感から利食い先行となって113.60円台まで押したが、113円台後半ではしっかりとした動きとなり、10日深夜からの上昇再開で11日未明には10日未明高値を上抜いた。11日早朝は高値に面合わせしており、上値模索が続いている。
リスク回避感の後退を背景とした上昇に加え、4月後半からの米長期金利上昇基調の継続がドル高円安を助長している。過度の円安に対しては日米貿易赤字問題を踏まえて自制がかかりやすいが、日米の長期金利差拡大による上昇となれば円安にも正当性が付くため、市場心理としても高値を追いかけやすい。

【米長期金利上昇基調継続による円安ドル高】

10日夜には米ボストン連銀のローゼングレン総裁が講演において「年内あと3回の利上げ」「次回利上げ後にバランスシート縮小開始を検討すべき」旨を発言した。同総裁はタカ派として知られているが、現在のFOMCにおける投票権はない。しかし、FOMC内部における利上げペースを加速させたいタカ派の意向を示唆するものとして米長期金利上昇、ドル円の上昇には寄与したと思われる。
米短期金利先物市場動向から推察される6月の利上げ確率は8割と高く、ほぼ利上げされるであろうことが市場も織り込んできているが、それに加えて9月の追加利上げ確率も4割に上昇しているという。6月、9月と年内2回の利上げ、さらに年末かけてはバランスシートの縮小開始という金融政策正常化プロセスがもう一段階進む可能性が出てきているわけだ。これらは現行の金利水準における社債発行を急がせることにもなり、米長期金利上昇(=債券価格は下落)も継続しやすくなっている。

【60分足一目均衡表分析】

【60分足一目均衡表分析】

5月4日夜高値で113円に到達、8日朝高値とダブルトップ型を形成していたが、9日の上昇でこれを突破、一段高してきた。10日未明高値114.33円からいったん下げたが切り返し、わずかに高値を更新、下げ渋っているため、再びダブルトップ破りによりさらに一段高へ進む可能性が出てきている印象だ。
114円台到達での高値警戒感もあると思われるが、113円台後半までの押しから切り返したところをみると市場心理も115円を意識し始めていると思われる。
10日の日中への下げ幅の倍返しなら丁度115円に到達する。
週末に安値をつけて週中へ上昇するパターンが繰り返されているため、11日夜にかけて高値を形成し、その後に高値から1円安規模の調整安を入れる可能性も考えられる。

60分足の一目均衡表では10日夜にかけての横這いにより遅行スパンが実線と交錯したが、悪化せずに実線に沿って上昇、11日午前には実線を上回る好転状況に入っている。先行スパンを上回る状況も維持されている。このため、両スパン好転中は高値更新余地ありとし、115円を目指す可能性を優先的に考える。114円割れを切り返せなくなる場合は先行スパンに潜り込むため弱気転換注意とし、遅行スパンも悪化してくる場合は先行スパン下限近辺の113.30円台まで下落してくる可能性を考えるが、そこはまた押し目買いが入りやすいとみる。(了)<9:40執筆>

【5月11日から12日の予定】

5月11日
 G7財務相・中央銀行総裁会議(13日まで)
19:25 米 ダドリーNY連銀総裁講演
20:00 英 BOE政策金利発表 (0.25%に据え置き予想)
21:30 米 4月生産者物価指数
21:30 米 新規失業保険申請件数

5月12日
21:30 米 4月消費者物価指数
21:30 米 4月小売売上高
22:00 米 エバンス米シカゴ連銀総裁講演
23:00 米 5月ミシガン大学消費者信頼感指数速報
23:00 米 3月企業在庫

5月13日
01:30 米 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演

オーダー/ポジション状況

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