トルコ中銀予想外の上限金利引き上げにリラ強含み4/27

昨晩トルコ中銀は政策決定会合で事実上の政策金利の上限である「後期流動性貸出金利」を0.5%引き上げる12.25%とすることを決めました。

トルコ中銀予想外の上限金利引き上げにリラ強含み4/27

トルコ中銀予想外の上限金利引き上げにリラ強含み

後期流動性貸出金利のみ0.5%引き上げ

昨晩トルコ中銀は政策決定会合で事実上の政策金利の上限である「後期流動性貸出金利」を0.5%引き上げる12.25%とすることを決めました。主要な政策金利である1週間ものレポ金利(8.0%)や翌日物の貸出金利(9.25%)、借入金利(7.25%)には変更を加えませんでした。

トルコ中銀は声明でトルコリラ安と食料品価格の高騰によるインフレ加速が観測されており、インフレの目に見えた沈静化が無い限り中銀は引き締めのスタンスを継続、必要に応じ更なる引き締めを実施するとしています。

トルコリラ乱高下の後強含み

予想外の中銀の強い対インフレ姿勢を受けて、リラは乱高下。対ドルで発表前には3.60手前の水準で取引されていたものが発表後には3.5609まで急伸の後3.57-59のレンジで方向感を失いました。東京時間では3.57台前半での取引。トルコリラ円も30.90レベルから31.25まで急伸した後31.10付近で落ち着きを取り戻しています。

中銀の独立性現状では維持、最後の抵抗となるか??

トルコでは先日改憲にかかわる国民投票に「勝利」し、権限強化を決めたエルドアン大統領が独裁姿勢を強めており、本日も9,000人以上の警官を政敵ギュレン氏のクーデター未遂に関与したとして停職処分にしています。
自らを「金利の敵」と表現するエルドアン大統領は中銀に対しても繰り返し金融緩和による景気刺激を求める一方で中銀をクーデターに関与した疑いで捜査するなど圧力を強めていることなどから、今回の中銀の強気の姿勢は大きな意外感を持って受け止められています。
あるいは実際に改憲が実施され大統領権限が強化される前に中銀がフリーハンドを広げる動きにでたとの見方も出来ます。
今のところ中銀の行動に対するエルドアン大統領の反応は伝わっていません。

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