豪ドル/円、短期は豪ドル弱気。82〜84円への一段の下落に注意。
オーストラリア経済は景気の持続的な拡大基調にあり、中銀は目標のインフレ率2%への達成に自信を持っていますが、為替相場はアメリカのオバマケア代替案の議会通過が遅れるとの見方が台頭、これに伴い減税策やインフラ投資などトランプ大統領の公約実施へも影響が及ぶとの見方から米株価が急落、リスク回避に伴う円買いの動きに、豪ドル/円相場は87円台から一時85円割れまで下落しています。アメリカ経済の基盤が強い状況にあるので、23日に議会で承認されれば為替相場への影響も軽微なものに留まると見られますが、長引くようなら今後の政局運営にも影を落とすことになり、引き続きリスク回避的な動きが出て来てもおかしくありません。
チャートを見ると、日足は2016年12月に付けた83.75を起点として下値を切り上げて来た流れから、3/22の大陰線が下抜けており、短期トレンドに変化が生じています。この日足の上値抵抗は86.30-40にあります。また、21日移動平均線も86.59に位置しており、短期トレンドは豪ドルやや弱気の流れに入っています。現状は84.60-70に日足、週足ベースで見た強い抵抗が控えており、これを守りきって反発に転ずる可能性を残していますが、84.50割れで終えた場合は一段の下落リスクが点灯します。しかし、120日線、200日線は84.12と81.51に位置しており、中期トレンドは豪ドル強気の流れを維持しています。
一方週足は実体の小さい陽線で終えていますが、上昇余力の強いものではなく揉み合いの域を抜け出していません。今週はオバマケア代替案に係るリスク回避の動きから下げが急となっていますが、84円台後半の下値抵抗を守った状態です。但し、84.50割れで越週した場合は、新たな下落リスクが点灯して82円方向への一段の下落に繋がり易くなります。今週の週足の上値抵抗は86.80-90、87.30-40に、下値抵抗は84.80-00にあります。31週、62週移動平均線は82.80と81.74に位置しており、中期トレンドは豪ドル強気の流れを変えていませんが、31ヶ月移動平均線が87.28に位置しており、今月の上値トライでもこれを上抜けきれずに反落して下値リスクがやや高くなっています。
豪ドル/円【週足】:(3/22現在31週移動平均線は82.80に62週線も81.74にあり、短・中期トレンドは豪ドル強気の流れにある)
オーダー/ポジション状況
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