NZ中銀の金融政策結果
本日、NZ中銀はキャッシュレート(中銀政策金利)を現行の1.75%に据え置きを決定しました。今回の据え置きは予想通りの結果となりました。
要旨内容全般は前回(2月)とほぼ同様の内容となっていますが、前回NZドル高の悪影響を強い文言で述べていましたが、今回はNZドル安となり、これは心地よいと素直に述べ、一層のNZドル安期待にも言及しています。インフレは中銀目標レンジ内に入り、今後は中間値に向かっていくと期待していますが、先行きの世界経済の動向次第ではこの予想を維持できない可能性もあり、金融政策はその予測不能事態に合わせて行く(追加緩和もあり得るとの含み)ことにも言及しています。
NZドル/米ドルは金融政策発表前に0.7050〜55米ドル付近で推移していましたが、ほぼ予想通りの結果と要旨内のNZドル安期待で30ポイント程度安くなっています。NZドル安望む当局と既にシカゴポジションのショート状況では時間調整が必要な感じです。上値は0.7090〜0.71米ドル、0.7160米ドル抵抗線あります。下値は0.6950米ドル、0.6890米ドルがサポートになっています。(3月23日11:15、1NZドル=0.7040米ドル)
中銀の要旨は以下となっています。
(中銀声明要旨)
理事会は本日、オフィシャルキャッシュレートを1.75%のまま据え置いた。
先進国のマクロ経済は過去の2か月は改善した。しかしながら、世界的には過剰供給問題と地政学的不確実性が残っている。
世界的なインフレは上昇した。最近原油価格は下がったが、インフレ上昇の一端は商品価格の上昇である。コアインフレは依然として低い。金融政策は緩和基調のままである。しかしそれとは状況違う地域があり、特に米国だ。
貿易加重平均の為替レートは2月以降4%下落した。特に一層弱くなった日用品価格と金利差の影響とみている。これは勇気付けられる動きだが、よりバランス取れた成長を達成するには一層のNZドル安が必要である。
12月末期の四半期GDPは予想以下であった。しかし、この要因の1つは悪天候によるものだ。先々の成長見通しは依然ポジティブだ。それは緩和基調、強い人口の拡大、高水準の家計消費と建設に支えられている。日用品価格はまだ弱く、将来も不確実性が残っている。
住宅価格インフレは緩やかに上昇した。一部では価格に対するローン比率の制限や借入条件の厳格化が影響している。この緩やかなインフレ上昇が、引き続き起きている需給間の不均衡をうまく支えてくれるかは不透明である。
当面のインフレは中銀目標値に入ってきた。消費者物価指数は最近の食糧価格や輸入価格の変動で、この先12か月間でどうなるか予想し難い。しかし、中期的には中銀目標の中間値(1%〜3%レンジ)に向かうと期待している。長期インフレ見通しは約2%で推移していくと予想している。
金融政策は暫くの間、緩和基調を維持していく。多くの不確実性が残っており、とりわけ国際社会の概観には注視し、金融政策はそれに合わせていく必要あるかもしれない。
(要旨は以上)
(注)NZ中銀金融政策会合要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。
次回の金融政策は2017年5月11日に予定されています。その前の4月20日発表の第1四半期消費者物価指数が注目されます。
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