ユーロドル:2月7日のファンダメンタル分析
テーマ:ECBの次の一手は緩和か、テーパリングか。
昨日のドラギ総裁のメッセージは明確でした。
1. ユーロ圏の景気回復はなお弱く、リスクは依然下向きで、金融刺激策が必要な状況が続いている。
2. 足元でインフレは上向いている指標が続いているものの、これは原油価格の上昇という一時的な要因によるものと考える。
と述べていて、
ユーロ圏は引き続き金融支援が必要で、近くテーパリングを開始する事は無いとしています。
だからと言って、次の一手が緩和かと言えば、そうとは限らないと想定します。
1.今年のユーロ圏は政治イベントが多く、その中でポピュリズムが拡大して保護主義が進行するような場合には、当然ユーロ圏の成長力は下向き、次の一手は金融緩和でしょう。
2.フランスの極右政党国民戦線のルペン党首は昨日、5月の大統領選で勝利した場合、EU加盟の是非を問う国民投票の実施を行う旨を述べています。イスラム原理主義やグローバリゼーションを非難するルペン党首が勝利するリスクをまずは乗り越えないとなりません。
3.ドラギ総裁が一時的とする原油価格は、決して一時的絵は無いと見ます。今の50ドル台から20ドル台へ回帰するのであれば一時的と言えるでしょうけれど、原油価格の先行きは、世界景気が底割れしない限りは50ドル台を維持すると想定されるからです。
なので、ECBの次の一手は、あくまで本年の政治リスクを乗り越えれば、テーパリングと予想されます。
ECBの次の一手が緩和である場合は、イタリア、フランス、ドイツ、オランダ等の各国で政治的な不安定が起きた時です。
結果としてECBはこの1年はユーロ圏の政治リスクを超えるまで動けないという事です。
ユーロドル:2月7日のテクニカル分析
ポイント:先週のナバロ米NTC委員長のユーロ安批判にも拘わらす1.08を回復できず。
テクニカルには、1月31日から上値、先行スパン2の1.0826の上抜けを試す動きが続いていますが、昨日で5期間目で、この金曜日10日が丁度9期間目になります。それまでは、上値先行スパン2の1.0826の上抜けを試すものの、上抜けはできないのではと想定します。
イベントとして10日からの週末には日米首脳会談が予定されているので、ここで円高・ドル安要求発言が成されれば
ドル円でドルが売られる格好で、ユーロドルが1.08を回復するのかもしれません。
著しく過小評価されたユーロを利用しドイツが他国に対して優位に立っているとしたナバロ米NTC委員長のユーロ安批判、トランプ大統領からの通貨安批判への圧力も予想され、先行スパン2の1.0826の上抜けを試すタイミングは近いと想定します。
日足の一目均衡表の基準線、転換線と両線とも上抜けていて、遅行スパンも実線を上回っている位置関係は足元から相場は依然上を向いています。
下値のポイントは、日足の一目均衡表・転換線です
今日は1.0725で横ばいですが、
同線を上回っている内は、引続き高値更新を試す可能性があると判断します。
同線を下回って行き、同線を回復できない場合は、
1.19日安値の1.0588を試す流れでしょう。
2. その下は1.0562に位置する日足の一目均衡表の先行スパン1です。
上値目途は
1. 今後1カ月程度横ばいと見られる日足の一目均衡表・先行スパン2の1.0826
2. 下降中の日足の200日線の1.1003です。
今日のレンジは、1.0700~1.0850と見ます。
オーダー/ポジション状況
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