ルペン・リスク(2017年2月8日)

ここにきて、リスク・オフ的な独国債の買い(利回りの低下)、先週回復した1.08台を維持できず、ユーロドルは戻り売り優先の地合いとなっています。

ルペン・リスク(2017年2月8日)

ユーロドル:2月8日のファンダメンタル分析

テーマ:5月のフランス大統領選挙、ルペン・リスクの浮上。

ここにきて、リスク・オフ的な独国債の買い(利回りの低下)、先週回復した1.08台を維持できず、ユーロドルは戻り売り優先の地合いとなっています。何故1.08台が上値重たくなったのか、それはフランス大統領選挙が市場の注目の対象になってきたのだと判断します。

5月のフランス大統領選挙の本命とされていた仏のフィヨン元首相が、妻への不正給与疑惑から第1回投票で3位となり決選投票へは進めないとみられる状況下で、この疑惑を認めて大統領への立候補を取り下げる展開となりました。

こうなると極右政党の国民戦線のルペン党首のフランス大統領選挙での勝利が現実的なものとなってきました。
ルペン党首と言えば、EU離脱派の急先鋒で、しかも通貨ユーロからも離脱すると公言しているので、ユーロロングが一気にリスクとなってしまいます。
5月のフランス大統領選挙、つまりルペン・リスクが解消するまでは足元目先、ユーロは戻り売り優先、ユーロロングの解消優先の相場と想定します。
ユーロ圏で、これ以上ユーロからの離脱を目的とする政権が樹立すると、ユーロ自体の崩壊につながりかねない危険な局面になってしまうからです。

ただ、フランス大統領選挙に関して言えば、フィヨン元首相の他にももう1人、中道系のマクロン前経済産業デジタル相が有力候補として善戦しているので、ルペン候補の当選も不透明です。 市場はこの不透明な状況を最も嫌う訳で、一段のリスク・オフが進むものと想定します。

ユーロドル:2月8日のテクニカル分析

ポイント:ナバロ米NTC委員長のユーロ安批判よりもルペン・リスクの方が怖く
1.08を維持できず。

テクニカルには、1月31日から上値、先行スパン2の1.0826の上抜けを試す動きが続いていますが、昨日6期間目となり、この金曜日10日が丁度9期間目になります。このままでは上抜けはできないのではと想定します。

著しく過小評価されたユーロを利用しドイツが他国に対して優位に立っているとしたナバロ米NTC委員長のユーロ安批判、トランプ大統領からの通貨安批判への圧力も継続で、先行スパン2の1.0826の上抜けが意識されていますが、昨日は日足の一目均衡表の転換線1.0725を下回ってしまい、相場は昨日までの強気を失いました。

今日もポイントは、日足の一目均衡表・転換線です
今日も同線は1.0725で横ばいですが、
同線を上回り回復する場合は、高値更新を試す可能性が再度出てきます。

同線を下回っている限りは
1.19日安値の1.0588を試す流れと見ます。
2. その下は1.0562に位置する日足の一目均衡表の先行スパン1です。

上値目途は
1. 転換線1.0726の回復です。
2. その上値は今後1カ月程度横ばいと見られる日足の一目均衡表・先行スパン2の1.0826

今日のレンジは、1.0650~1.0750と見ます。

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