ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、ランド円は「8.40レベルをサポートに、8.60レベルをレジスタンスとする流れ」としました。実際のレンジは、安値が8.33レベル、高値が8.52レベルと、予想よりも10銭弱ランド安での推移となりました。
先週は週初から日米首脳会談に向けて円高懸念が強まったことからドル円に足並みを揃える形でランド円もまた売りが先行してのスタートを切りました。また水曜日にはムーディーズが南アフリカの政治的な緊張と弱い経済成長が同国のソブリン(国債)の格付けに対する挑戦となるとのコメントを出しました。ただ、このコメントはランドに与えた影響はほぼ皆無に近く、いまだ投資不適格(ジャンク級)に至るには2ノッチある(2段階の引き下げ)というあたりが安心感となっていたのかもしれません。
しかし、格付けの見通しがネガティブであることを考えると、今後も南アフリカの政治経済の状況に改善が見られない場合、格付けの引き下げが行われるリスクは高く、そうなるとジャンクまで残り1段階ということになりますので、最近やや忘れられていた感のある南アフリカの格付けについては引き続き要ウォッチと言えるでしょう。
話は逸れますが、ムーディーズの格付け情報は誰でも無料で見ることが可能です。
ムーディーズ(英語サイト) https://www.moodys.com/
上記サイトにユーザー登録を行えば、ソブリンだけでなく主要な企業の現在の格付けや過去の格付けのアクションを知ることが可能です。南アフリカの例でしたら、ソブリンは2016年5月6日にBaa2(BBB格)で見通しがネガティブになっていることがわかります。ソブリンや主要金融機関の格付けといった情報を確認するには便利なので興味のある方はお試しください。
話を戻しましょう。今週のランド円ですが、南アフリカのイベントとしては、これといったものがありません。9日に製造業生産の発表がありますが、よほどコンセンサスからずれない限り方向性が出るほどのものとは思えず、今週は円の材料のほうがより影響力が高いと考えられます。
週報にも書いた通り、今週末にはワシントンで日米首脳会談が行われトランプ大統領は無理難題とまでは言わずとも、日本に対してこれまでよりは不利な条件を突き付けて来る可能性が高いと考えられます。また先立って米国と本邦貿易収支の発表があり、会談前に米国の赤字拡大や日本の黒字拡大といったことがあると、それも会談に向けて円高の材料とされかねません。今週は首脳会談に向けてのドル円の動向がランド円を始め、主要なクロス円に与える影響が大きいと言えそうです。
それではいつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
ランド円、ドルランド、ドル円 四時間足
黄色のラインマーカーで8.35と8.60に線を引いてみましたが、最近はほぼこのレンジの中で方向感がはっきりしない展開を続けています。中段のドルランドと下段のドル円はどちらも緩やかなドル安トレンドとなっていてそれぞれ安値圏にあること、また日米の重要イベントを控えていることを考えると、円高・ドル安が加速した場合にはランド円でもランド安の動きにつながる可能性は高いでしょう。
ただ、現状では上記のラインマーカー・レンジを抜けるとも思えず、今週も引き続きレンジ内での取引を考えることとなるでしょう。8.35レベルをサポートに、8.60レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
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