前週の主要レート(週間レンジ)
始値 高値 安値 終値
ドル円 114.65 114.94 112.05 112.56
ユーロ円 122.87 123.03 121.02 121.44
ユーロドル 1.0717 1.0829 1.0620 1.0788
日経平均 19371.28 19390.97 18830.89 18918.20
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。
前週の概況
1月30日(月)
週明けの早朝市場では、トランプ大統領が進める通商政策を懸念したドル売りの動きが先行して始まりましたが、東京後場から欧州市場にかけては米金利の動きを見て買い戻しの動きも見られました。しかし115円台には乗せられず、朝方にギャップダウンして始まった高値圏で上値を抑えられたことからドル売りの動きが再開、NY市場ではトランプ政権のもうひとつの負の材料となる移民政策の一環で、一部の国から米国への入国を禁止措置としたことを嫌気してNYダウが大幅安となりました。ドル円も一段安となり113.45レベルまで水準を下げた後にやや戻しての引けとなりました。
1月31日(火)
東京市場では、前日の流れを受け上値は重たいものの日銀会合結果と総裁会見を控えてもみあいとなりました。日銀の結果公表後に展望レポートに反応し一時的にドル売りが出たもののすぐに戻し、海外市場までは目立った動きはありませんでした。海外市場に入り序盤こそ買い戻しが入っていたもののNY市場に入りトランプ大統領が中国と日本の通貨安誘導を非難したことに加え、国家通商会議(NTC、大統領直属の通商政策統括組織)委員長がユーロ安も避難したため、ドル円は122.08レベル、ユーロドルも1.0812レベルへとドルが大幅安となりました。引けにかけて買い戻しも入りましたが、保護主義を前面に押し出すトランプ政権のスタンスがドルの戻りを弱いものにしました。
2月1日(水)
東京市場では、前日のトランプ政権による通貨安批判の巻き戻しと株高の動きも手伝ってドル円の買い戻しが目立ちました。日経平均先物は夜間取引で一段高となり、その後NY市場に入り発表されたADP全国雇用者数がコンセンサスのレンジを大幅に上回る強い数字となったことから、一時113.95レベルまで上伸。しかし、前日高値を抜けられなかったこと、またFOMCで次回利上げのヒントが無かったことから引けにかけては再び上値の重たい展開でのクローズとなりました。
2月2日(木)
東京市場では、未明のFOMCで3月利上げのヒントが示されなかったことからドル売りの動きとなっていたところ、日経平均株価の売りが強まったことも重なって、前日のNY市場からのドル売りが継続しました。ドル売りの動きはNY市場まで続き、週間安値をわずかに下回る112.05レベルを示現後、引けにかけては本日の雇用統計を控えた買い戻しも入り、東京市場の水準に戻しての引けとなりました。ユーロドルも基本的にドル円の値幅を狭くしたイメージでドル安の動きを継続しました。
2月3日(金)
東京市場では日銀の買いオペや指値オペに反応して一時的振れる場面は見られたものの、米国雇用統計を前にして前日安値からの買い戻しの流れを続けました。注目の雇用統計は113円台前半で迎えましたが、直後は予想よりも強いNFPに反応し113.50レベルまで上伸したものの、前月強かった平均時給が予想よりも弱かったことから反落、NYの昼前には112.31レベルの安値をつけました。引けにかけては強いNYダウに反応したこと、週末前のポジション調整も入ったことから113円台に戻す場面も見られましたが、ドル円は今週の日米首脳会談を前に戻り売りを考える参加者も多く、112円台半ばへとじり安の引けとなりました。
今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)
今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。FRB地区連銀総裁講演の内、2017年FOMCメンバー(ニューヨーク、フィラデルフィア、シカゴ、ミネアポリス、ダラス)ではない地区連銀はカッコ付で示しました。わかりやすさ優先で、あえて正式呼称で表記していない場合もあります。
2月6日(月)
10:45 中国1月MarkItサービス業PMI
16:00 ドイツ12月製造業受注
30:30 フィラデルフィア連銀総裁講演
2月7日(火)
12:30 豪中銀政策金利発表
16:00 ドイツ12月鉱工業生産
23:00 米国12月貿易収支
25:35 ドイツ連銀総裁講演
2月8日(水)
08:50 日銀金融政策決定会合(1月31日)主な意見公表
08:50 本邦12月貿易収支
24:30 米国週間原油在庫
29:00 NZ中銀政策金利発表
30:00 NZ中銀総裁会見
2月9日(木)
09:10 NZ中銀総裁議会証言
09:30 豪州10〜12月期NAB企業信頼感
14:30 中曽日銀副総裁記者会見
20:00 南ア12月製造業生産
22:30 米国新規失業保険申請件数
23:10 (セントルイス連銀総裁講演)
24:00 米国12月卸売在庫・売上高
27:10 シカゴ連銀総裁講演
2月10日(金)
09:30 豪中銀四半期金融政策報告
**:** 中国1月貿易収支
18:30 英国12月貿易収支
19:00 ドイツ連銀総裁講演
**:** 日米首脳会談
22:30 米国1月輸入物価指数
24:00 米国2月ミシガン大消費者信頼感指数速報値
2月11日(土)
21:30 フィッシャーFRB副議長講演
今週の週間見通し
先週のドル円は週初こそ115円近い水準で始まったものの、その後は今週末の日米首脳会談におけるトランプ政権の通商政策と為替調整の懸念を背景にドルの上値が重たい展開を辿りました。長期的な見通しはFX羅針盤の「2017年ドル円相場見通し」に書きましたので詳細はそちらをお読みいただくとして、トランプ大統領の米国第一主義は米国内にとっては引き続き好材料とはなるものの、保護主義が大きな対米黒字を持つ国の通貨にとっては通貨高の材料となり、米国株と為替相場では今後デカップリングを起こす可能性が高いと言えるでしょう。
その中でも中国、日本、ドイツ、メキシコは重点対策国家と位置付けられていることは間違いなく、大統領や政権中枢部からの発言も一貫して通貨安認めない内容となっています。そうした中で、先陣を切って日米首脳会談が今週10日にワシントンで行われます。主要国の金融政策イベントや米国雇用統計も通過し、今週は目立った材料が無い中で最大の注目材料となることは間違いありません。80年代には米国の貿易収支、とりわけ対日赤字に注目が集まりましたが、今年は30年ぶりに貿易収支に注目が集まりやすい一年となるかもしれません。
そんなスケジュール間の中、今週は米国貿易収支が7日に本邦貿易収支が8日に発表されます。首脳会談を控えて数字によっては円相場に影響を与える可能性があるため注意が必要です。日米首脳会談では、TPPを離脱し二国間交渉を進める日米にとって、少なくとも今よりは日本にとって不利な条件を押し付けられることは間違いなく、首脳会談で終わりでなくここからがスタートであることを考えると、当面の円相場は円高バイアスがかかりやすいものとなります。
チャートも見てみましょう。大統領選開票日の安値101.20を起点に昨年12月高値118.66までの上げに対する38.2%押し111.99はほぼ達成したと考えて良いのですが、他にも英国国民投票直後の2016年安値99.02と昨年12月高値までの上げに対する38.2%押しが111.16等、まだまだターゲットとなる水準は多いと言わざるを得ません。112円を割り込まなかければ首脳会談前にいったん買い戻しも入りそうですが、その後を考えると上がっても下がってもテクニカルにはドル売りを考えていたほうがよさそうです。
日柄的には、今週後半はいったん買い戻しが入りやすいものの、週末まさに金曜NY時間にはドル売りへと転じやすい時間帯へと入ります。このあたりは、私の個人ページで公開している「アストロカレンダー」( http://www.ascendant.jp/Astro/ )をご覧いただければと思いますが、地合い、イベントと重なる日柄にドル売りの配置があるのは3拍子揃っているようで気になります。
果たして日米首脳会談がどのような内容となるのか、他国交渉も含め世界中が注目する重要なイベントとなります。NY市場そして来週週明けの市場で波乱が起きても焦らないよう、ポジション管理だけはしっかりとしておきたいものです。今週の予想レンジは、振れた場合には大台110.00レベルを大きなサポートに、その手前111.00レベルをサポートに、113.50レベルをレジスタンスとする一週間を見ておきます。
ドル円(日足)チャート
このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみ平均足と同様とすることで、短期的な方向性(緑=上昇、赤=下降)を見やすく加工した当週報独自のチャートとなっています。また、国内外で人気の高い一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。トレンドラインは週初の段階で過去一定期間から自動的に表示される自動トレンドライン(無い場合もあります)となっています。
ディスクレーマー
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オーダー/ポジション状況
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