ドル円の一段高で4.42円へ高値を伸ばす、日銀会合後の波乱に注意
〇トルコ円、12/18未明4.37まで失速後、12/19早朝のドル円急伸を追いかけ4.42まで切り返す
〇ドル/トルコでのリラ安に圧迫されつつも基本はドル円を追いかける展開か
〇対ドル、12/18は概ね35.07から34.74の取引レンジ、9営業日連続史上最安値更新、35リラ台到達
〇FOMCの利下げペース鈍化を受けたユーロ等の下落もリラ売り加速の一因に
〇4.42超えからは4.43、4.44を順次試す上昇を想定
〇4.39割れからは戻り一巡後の下落再開を疑い4.37試しとする
トルコリラ円の12月18日は概ね4.42円から4.37円の取引レンジ、19日早朝の終値は4.42円で前日終値の4.39円から0.03円の円安リラ高だった。
ドル円は12月9日から16日への6連騰で154.47円まで高値を伸ばしてから18日未明安値153.11円までいったん反落したが、19日早朝のFOMCを控えて上昇を再開し、FOMCが2025年の利下げ想定回数を9月時点の4回から2回へ半減させたことで米長期債利回りが急伸して為替市場がドル全面高となったため、19日早朝高値154.85円へ一段高とした。
トルコリラ円もドル円の連騰を追いかけて12月9日から16日へ6連騰として4.42円まで高値を伸ばし、ドル円の反落を見て18日未明に4.37円まで失速したが、19日早朝のドル円急伸を追いかけて4.42円まで切り返した。
ドル円が一段高する中でトルコリラ円が16日高値と同値に留まったのは、ドル/トルコリラが9営業日連続で史上最安値を更新したことによるリラ安に圧迫されたものであり、年末にかけてドル高リラ安がさらに加速する場合はドル円が続伸してもトルコリラ円の上昇が鈍る可能性もあるが、基本はドル円を追いかける展開と考えたい。
本日は日銀金融政策決定会合があり、追加利上げは見送りとみられているものの、年明け以降の追加利上げに対して積極姿勢を示す場合は円高のぶり返しを招きやすく、逆にトランプ政権発足後の状況や春闘を見たいとするハト派的な姿勢なら円安がさらに勢いを増しやすい。NYダウが18日に50年振りの10営業日続落で大幅安となり、19日の日経平均も大幅安のため、7月31日の日銀追加利上げから8月2日の世界連鎖株安へ進んだ経緯もあり、植田総裁には難しい対応となるかもしれない。
【ドル/トルコリラは9営業日連続で取引時間中及び終値の史上最安値更新、35リラ台到達】
ドル/トルコリラの12月18日は概ね35.07リラから34.74リラの取引レンジ、19日早朝の終値は35.03リラで前日終値の34.97リラから0.06リラのドル高リラ安だった。
12月6日から17日へ取引時間中の史上最安値を8営業日連続で更新してきたが、18日も35.0675リラを付けて初めて35リラ台に到達して9営業日連続の史上最安値更新とした。日足終値ベースでも12月6日から17日まで8営業日連続で最安値更新としていたが、18日終値も35.03リラとして初めて35リラ台に乗せて9営業日連続で史上最安値を更新した。
トルコ景気が低迷する一方、インフレ高止まりにより中銀の利下げ再開が先延ばしされて景気回復への期待感が鈍っていることでドル高リラ売りが優勢となり、トランプ次期政権の保護主義政策による先行き不透明感もリラ売りの背景となってきたが、19日早朝の米FOMCが予想通りに0.25%利下げを決定した上で2025年の利下げ想定回数を9月時点の4回から2回に半減させて利下げペースがかなり緩むこととなったため、19日早朝にユーロやポンド、豪ドル等が急落したこともリラ売りを加速させた。
11月のトルコ中銀ビジネスサーベイ(エコノミストや企業トップに対する市況予想調査)では2024年末の為替レート予想が1ドル35.7205リラであり、年末にかけて35リラ台後半を目指すリラ安が続くことも懸念される。
【60分足サイクル、一目均衡表分析】
トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、弱気転換目安とした12月16日夕安値4.39円を割り込んだために18日午前時点では16日深夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとし、ボトム形成期を18日未明から19日夜にかけての間として早ければ18日未明安値でボトムを付けた可能性があるとしたが、19日早朝の急伸で強気転換目安とした4.40円を超えたため、18日未明安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして19日深夜から24日未明にかけての間への上昇を想定する。
乱調な展開も懸念されるので4.39円割れからは弱気転換注意として18日未明安値4.37円試しとする。
60分足の一目均衡表では19日早朝への急伸で遅行スパンが好転して先行スパンも上抜き返し、その後も両スパン揃っての好転を維持しているので遅行スパン好転中の高値試し優先とする。先行スパンからの転落を回避する内は遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところから上昇再開とするが、先行スパンから転落する場合は下落継続とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は18日未明の30ポイント割れから19日早朝に70ポイントを超え、その後も60ポイント以上を維持しているのでまだ上昇余地ありとするが、相場が一段高する際に指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられる場合は反落警戒とし、50ポイント割れからは下落継続とみて40ポイント割れを試す低下を想定する。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.39円を下値支持線、4.42円を上値抵抗線とする。
(2)4.40円以上での推移か一時的に割り込んでも回復する内は一段高余地ありとし、4.42円超えからは4.43円、4.44円を順次試す上昇を想定する。4.44円以上は反落警戒とするが、4.40円を上回っての推移か直前高値から0.02円を大きく超える反落がは圧政しないうちは20日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.39円割れからは戻り一巡後の下落再開を疑い4.37円試しとする。4.38円以下は買い戻されやすいとみるが、4.39円を下回っての推移なら20日も安値試しへ向かいやすいとみる。
【当面の主な予定】
12月19日
20:30 週次 外貨準備高 グロス 12月13日時点 (12月6日時点 950.1億ドル)
20:30 週次 外貨準備高 ネット 12月13日時点 (12月6日時点 650.7億ドル)
12月20日
16:00 12月 消費者信頼感指数 (11月 79.8)
16:00 12月 トルコ中銀ビジネスサーベイ(年末為替レート、CPI等予想値)
23:30 11月 中央政府債務 (10月 8兆7960億リラ)
12月23日
17:00 11月 海外観光客数 前年同月比 (10月 9.25%)
12月25日
16:00 12月 製造業信頼感指数 (11月 100.4)
16:00 12月 設備稼働率 (11月 76.1)
12月26日
20:00 トルコ中銀 政策金利 週間レポレート (現行 50.0%)
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