反発基調強まるが、日米中銀会合に翻弄される格好に
【先週の南アフリカ・ランド】
先週のランドは、経済指標が強かったほか、中国経済政策期待や日銀による12月利上げ観測が後退したことなどから円安ランド高が進行した。
中国では、9日に開催された党中央政治局会議にて、来年の経済政策運営を巡って、より積極的な財政政策と適度に緩和的な金融政策に動く方針が討議されるなど、政策転換に動く方針が明らかにされた。とりわけ、金融政策の変更は2008年の世界金融危機直後以来で、一段の金融緩和に動く可能性が高まり、リスク先行の円売りが加速した。
また、日銀による12月利上げ観測後退報道が伝わったことで、円が主要通貨に対して売られたことも影響。ランドは10日の11月SACCI景況感指数や10月製造業生産高が前回よりも強かったほか、10月小売売上高や11月消費者物価指数も良好だったことでランド高が進み、一時8.6円台まで上昇した。
ランド・円(東京時間:12月9日―12月13日)
※Investing.comの日足を参照
始値:8.3254円
高値:8.6574円
安値:8.2984円
終値:8.5906円
【先週と今週の重要指標】
※時間は東京時間
12月10日
18時30分、11月SACCI景況感指数、前回:110.2、結果:118.1
20時00分、10月製造業生産高、前回:−0.2%、結果:0.2
12月11日
17時00分、11月消費者物価指数(前月比)、前回:−0.1%、結果:0.0%
17時00分、11月消費者物価指数(前年比)、前回:2.8%、結果:2.9%
20時00分、10月小売売上高、前回:1.1%、結果:6.3%
12月12日
18時30分、11月生産者物価指数(前月比)、前回:−0.7%、結果:0.0%
18時30分、11月生産者物価指数(前年比)、前回:−0.7%、結果:−0.1%
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のランドは、目立った経済指標の発表がないことから外部環境に振らされる地合いとなろう。今週は17−18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、18−19日に日銀金融政策決定会合がそれぞれ開催される。
FOMCでは0.25%の利下げを予想する声が多い一方、日銀会合は0.25%利上げの可能性は五分五分といったところだ。11月下旬から12月上旬にかけては、利上げ観測が強かったが、足元利上げ見送り観測が強まるなど二転三転しており、結果次第では円、そして、ドルが上下に大きく動く可能性がある。新興国通貨の多くはこのイベントに振らされやすく、ランドも翻弄されよう。
日足の一目均衡表では、転換線、基準線を上回り一気に雲上限を上抜ける場面も見られた。100日移動平均線を上回っていることからトレンドはしっかりと言えよう。今後は基準線と雲上限を意識した推移となりそうだが、日米中銀会合の結果次第では上下に振れる可能性もあることから注意は必要と考える。
南アフリカランド円日足
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