対ドルで6日連続最安値更新だが、ドル円の一段高で5連騰
〇トルコリラ円、ドル円の上昇に同調し5連騰、12/14未明4.41つける
〇日米金融政策通過してドル高継続ならドル円の上昇追いかけやすくなるか
〇対ドル、12/13は概ね34.96から34.66の取引レンジ、6営業日連続で史上最安値更新
〇経常収支の黒字等、強気材料にも市場の反応鈍く、景気低迷感は払拭できず
〇4.38上回るうちは一段高余地あり、4.41超えからは4.42前後への上昇想定
〇4.38割り込んでも4.39超えへ切り返せば上昇再開とし、4.38割れから続落なら4.37前後への下落想定
【概況】
トルコリラ円の12月13日は概ね4.41円から4.36円の取引レンジ、14日早朝の終値は4.39円で前日終値の4.37円から0.02円の円安リラ高だった。
ドル円が12月6日安値149.35円から反騰に転じ、9日から13日までの5連騰で153.79円を付けて12月3日安値148.64円以降の高値を更新したため、トルコリラ円もドル円の騰勢を追いかけて9日から13日まで5連騰とし、14日未明には4.41円を付けて12月3日安値4.28円以降の高値を更新した。ドル/トルコリラでは6営業日連続で取引時間中及び終値ベースで史上最安値更新が続いたが、ドル高リラ安よりもドル高円安が勝っているためにトルコリラ円はドル円の上昇に同調している。
【米FOMC、日銀金融政策決定会合を通過して円安継続か】
ドル円の上昇は米10年債利回りの上昇とほぼ相関しているが、米FRBが12月17-18日のFOMCで0.25%利下げを決定しても2025年の利下げ回数が9月時点の4回想定から2回ないし3回へ減るとの見方や、トランプ次期政権発足後の関税政策や大型法人減税、移民排斥等による財政支出増大とインフレ再燃が懸念されているため、米10年債利回りは12月9日から13日へ5連騰で上昇している。
日銀の12月利上げ期待が後退していることもあり、円高圧力が緩んでいるためにドル円は米10年債利回り動向を見ながら上昇を続けている。今週のFOMCが来年の利下げペースを大幅に緩めたり利下げ停止の可能性を示唆する場合はドル円が急伸する可能性もあると注目し、19日の日銀金融政策決定会合の結果及び植田総裁会見で円高が再燃せずに円安基調を続けるなら、年末年始にかけてドル円の上昇が続いてトルコリラ円もドル円の上昇を追いかけやすくなると思われる。ただし、ドル/トルコリラのドル高リラ安が勢いをさらに増す場合にはドル円の上昇を追いかけつつもリラ安による圧迫で上昇力が鈍る可能性もあると注意したい。
【ドル/トルコリラは6営業日連続で取引時間中及び終値の史上最安値更新】
ドル/トルコリラの12月13日は概ね34.96リラから34.66リラの取引レンジ、14日早朝の終値は34.92リラで前日終値の34.87リラから0.05リラのドル高リラ安だった。
12月6日に34.81リラ、9日に34.84リラ、10日に34.89(34.8885)リラ、11日に34.89(34.8901)リラ、12日も34.90(34.8967)リラを付けて5営業日連続の史上最安値更新としたが、13日も34.96リラを付けて6営業日連続の最安値更新として35リラに迫った。日足終値ベースでは12月3日終値34.71リラを6日終値34.74リラで超えて9日、10日、11日、12日、13日と6営業日連続で史上最安値を更新した。
週間では12月6日終値34.74リラから0.18リラのドル高リラ安、13日時点の月間は11月末終値34.69リラから0.23リラのドル高リラ安だった。
12日発表のトルコ10月経常収支は5か月連続で黒字となり、週次の外貨準備高もネットで過去最大となるなど強気材料もあったが市場の反応は鈍く、高インフレ・高金利・緊縮財政による景気低迷感が払拭できず、中銀の利下げ再開が先延ばしされて景気回復も先延ばしとなることへの懸念でリラ安が勢いついている。12月20日にトルコ中銀の月次ビジネスサーベイ(エコノミストや企業トップによる予想集計)発表があるが、11月時点では2024年末の為替レート予想値は1ドル=35.7205リラと予想されており、徐々に予想値へ迫っている印象だ。
【60分足サイクル、一目均衡表分析】
トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、12月6日夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとしてきたが、11日夕刻高値から持ち合いに入り、12日夜に4.34円へ下落してから戻したため、13日午前時点では11日夕高値を直近のサイクルトップ、12日夜安値を同サイクルボトムとした新たな強気サイクル入りとして16日午後から18日夕にかけての間への上昇を想定した。
14日未明へ一段高しているので引き続きトップ形成中とするが、4.38円割れからは弱気転換注意として4.37円から4.36円台を試す下落を想定する。
60分足の一目均衡表では12日夜に先行スパンから転落しかけてから上抜き返し、14日未明への上昇で遅行スパンも肯定し、その後も両スパン揃っての好転を維持しているので遅行スパン好転中の高値試し優先とする。
遅行スパン悪化からは安値試し優先として先行スパン上限を試すとみるが、先行スパンを上回るうちは遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところから上昇再開とする。
60分足の相対力指数は14日未明への上昇で70ポイントをつけてから反落したものの60ポイント弱に付けているためまだ上昇余地ありとするが、相場が一段高する際に指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられる場合は反落注意とし、50ポイント割れからはいったん下げに入るとみて40ポイント前後への低下を想定する。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.38円を下値支持線、4.41円を上値抵抗線とする。
(2)4.38円を上回るうちは一段高余地ありとし、4.41円超えからは4.42円前後への上昇を想定する。4.42円以上は売られやすいと注意するが、4.38円を上回っての推移なら17日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.38円を割り込んでも4.39円超えへ切り返す場合は上昇再開とするが、4.38円割れから続落の場合は4.37円前後への下落を想定する。4.37円以下は買われやすいとみるが、4.38円を下回っての推移なら17日も安値試しへ向かいやすいとみる。
【当面の主な予定】
12月16日
17:00 11月 財政収支 (10月 −1862.7億リラ)
12月19日
20:30 週次 外貨準備高 グロス 12月13日時点 (12月6日時点 950.1億ドル)
20:30 週次 外貨準備高 グロス 12月13日時点 (12月6日時点 650.7億ドル)
12月20日
16:00 12月 消費者信頼感指数 (11月 79.8)
16:00 12月 トルコ中銀ビジネスサーベイ(年末為替レート、CPI等予想値)
23:30 11月 中央政府債務 (10月 8兆7960億リラ)
12月23日
17:00 11月 海外観光客数 前年同月比 (10月 9.25%)
12月25日
16:00 12月 製造業信頼感指数 (11月 100.4)
16:00 12月 設備稼働率 (11月 76.1)
12月26日
20:00 トルコ中銀 政策金利 週間レポレート (現行 50.0%)
注:ポイント要約は編集部
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