トルコリラ円見通し 対ドルで史上最安値更新続くが、ドル円の上昇でトルコリラ円は3連騰(24/12/12)

トルコリラ円の12月11日は概ね4.38円から4.33円の取引レンジ、12日早朝の終値は4.37円で前日終値の4.35円から0.02円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し 対ドルで史上最安値更新続くが、ドル円の上昇でトルコリラ円は3連騰(24/12/12)

対ドルで史上最安値更新続くが、ドル円の上昇でトルコリラ円は3連騰

〇昨日のトルコ円、夕刻のドル円下落で4.33までいったん下げた後、ドル円一段高で4.38へ上昇
〇対ドル、12/11は概ね34.89から34.67の取引レンジ、取引時間中及び終値の史上最安値更新
〇昨日発表のトルコ10月小売売上高は低調
〇4.38超えからは4.39、4.40を順次試す上昇を想定
〇4.35割れからは弱気転換注意として4.33試しとする

【概況】

トルコリラ円の12月11日は概ね4.38円から4.33円の取引レンジ、12日早朝の終値は4.37円で前日終値の4.35円から0.02円の円安リラ高だった。
ドル円は12月11日未明に152.17円を付けて12月3日深夜安値148.64円以降の高値としてからやや下げていたが、11日夕刻に一部メディアが日銀審議員の一部は12月利上げに反対しないと報じたことで151.04円へ急落し、12月利上げは見送りの公算とも報じられたことで急反騰となり152.78円へ一段高した。11日夜の米CPIが予想通りだったことで12月FOMCの追加利下げは濃厚として151.92円まで反落したところを買われて152.70円台へ戻したが、高値更新へ進めず、12日午前は再び失速して152円を試している。

トルコリラ円はドル円の上昇を追いかけて11日早朝に4.37円を付けて3日夜以降の高値を更新し、11日夕刻のドル円下落時に4.33円までいったん下げたが、その後にドル円が一段高したのを見て4.38円へ上昇した。12日早朝にかけては4.38円から4.36円近辺で揉み合っている。
来週の日銀会合(12月18-19日開催)へ向けて憶測や関係者発言等の報道でドル円が乱調な展開に陥る可能性もあるが、今のところは12月利上げの可能性は低く、1月利上げの可能性が高いと市場は見ているようだ。
トルコリラ円はドル円の上昇を追いかけて12月3日安値を起点として二段上げ型で上昇を続けてきた。徐々に底上げをして高値を切り上げてきたため、11日夕の乱高下時に付けた安値4.33円を割り込まずに底上げ基調を維持する内は4.40円を目指す可能性もあるとみる。

【ドル/トルコリラは連日の取引時間中及び終値の史上最安値更新】

ドル/トルコリラの12月11日は概ね34.89リラから34.67リラの取引レンジ、12日早朝の終値は34.85リラで前日終値の34.83リラから0.02リラのドル高リラ安だった。
12月4日に34.77リラを付けて11月27日安値を超えて取引時間中の最安値を更新してからいったん反発したが、6日に34.81リラ、9日に34.84リラ、10日に34.89リラと最高値を更新し、11日は小数点下四桁で34.8901リラを付けて10日の34.8885リラを超えて最安値更新とした。日足終値ベースでは12月3日終値34.71リラを6日終値34.74リラで超えて9日、10日、11日と4営業日連続で史上最安値を更新した。

12月3日に発表されたトルコ11月CPI上昇率が前月から鈍化したものの予想を上回り、12月26日の次回トルコ中銀金融政策決定会合では利下げが見送られるとの懸念が優勢となり、利下げによる景気回復が遅れるとの懸念がリラ売りを勢い付かせている。12月10日発表の10月鉱工業生産も冴えず、前年同月比が3.1%減で5か月連続のマイナスだったが、11月29日のGDP統計で4‐6月期と7‐9月期が2期連続マイナス成長=リセッションに陥ったところから10-12月期も3四半期連続でマイナスとの見方が強まっている。徐々に1ドル35リラ台へ迫っている状況だ。

【トルコの10月小売売上高は低調】

12月11日に発表されたトルコの10月小売売上高は前月比0.2%増となり9月の2.5%増を下回り、前年同月比は15.0%増で9月の16.4%増を下回った。前月比は3月から5月にかけて3か月連続でマイナスとし、6月からはプラスを継続しているものの、3%以下の冴えない水準にとどまっている。前年同月比は2月に25.8%増としてから7月の6.0%増へ減速し、8月から9月へ2か月連続で改善していたものの10月は停滞した。

【60分足サイクル、一目均衡表分析】

【60分足サイクル、一目均衡表分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、12月4日夜高値をサイクルトップとして6日夜から10日深夜にかけての間への下落を想定していたが、9日午前時点では4.33円超えから強気転換注意として4日夜高値4.35円試しとし、10日未明に4.35円まで戻したために10日朝時点では6日夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして10日の日中から11日夜にかけての間への上昇を想定した。
11日夕刻に一時4.33円へ反落してから4.38円へ一段高したためまだ上昇余地ありとし、11日夕安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りの可能性もあると考え、11日夜高値を超える場合は14日未明から18日未明にかけての間へサイクルトップ形成期が延びる可能性を検討する。
ただし、4.35円割れを弱気転換注意とし、11日夕安値4.33円割れからは弱気サイクル入りとして12日夕から13日深夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では10日未明への上昇で遅行スパンが好転して先行スパンも上抜き、その後も両スパン揃っての好転を維持しているので遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、先行スパンへ潜り込むところから弱気転換注意尾とし、遅行スパン悪化からは下落継続とみて安値試し優先とする。
先行スパンからの転落を回避する内は遅行スパンが一時悪化してもその後に好転するところから上昇再開とするが、先行スパンから転落する場合は下落が長引く可能性があると注意する。

60分足の相対力指数は10日未明から11日早朝および11日夜への上昇時に指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられるため反落警戒とし、次に60ポイントを超えるところからは70ポイント前後への上昇を想定するが、40ポイント割れからは下落期入りとして20ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.33円を下値支持線、4.38円を上値抵抗線とする。
(2)4.35円を上回るうちは一段高余地ありとし、4.38円超えからは4.39円、4.40円を順次試す上昇を想定する。4.39円以上は反落警戒とするが、13日早朝に4.36円を上回って推移するなら13日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.35円割れからは弱気転換注意として4.33円試しとする。4.33円割れ回避から4.36円超えへ戻す場合は上昇再開とするが、4.33円を割り込んだ後も4.34円以下での推移なら13日も安値試しを続けやすいとみる。下げ足が速まる場合は4.32円前後へ下値目途を引き下げる。

【当面の主な予定】

12月12日
 16:00 10月 経常収支 (9月 +29.88億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 12月6日時点
12月17日
 17:00 11月 財政収支 (10月 −1862.7億リラ)


注:ポイント要約は編集部

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