9月以来の95円台まで下落、10日の豪中銀会合声明はハト派よりか
【今週の豪ドル】
今週の豪ドルは、第3四半期GDPの鈍化を受けて、オーストラリア準備銀行(豪中銀、RBA)による早期の利下げ観測が強まり、9月19日以来となる95円台まで低下した。
統計局が4日に発表した第3四半期のGDPは前期比0.3%増と、市場予想の0.4%増を下回った。政府が国防やインフラへの支出を拡大した一方、個人消費や企業の支出は軟調だった。前年比の伸びは0.8%で、前期の1.0%から鈍化し市場予想1.1%を大幅に下回った。コロナ禍の2020年終盤以来の低成長となった。
豪中銀による早期利下げ観測が強まり、豪ドルは9月19日以来となる95円台まで下落。10日の豪中銀理事会での「ハト派」声明などへの警戒感が強まったほか、日銀による12月利上げ観測が強まっていることや、韓国情勢の不透明化などからリスク回避の円買いも豪ドル売りの要因となった。
豪ドル・円(東京時間:12月2日―12月6日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値: 97円60銭
高値: 98円05銭
安値: 95円89銭
終値: 96円68銭
【今週と来週の重要指標】※時間は東京時間
12月2日
9時30分、10月住宅建設許可(前月比)、前回:5.8%、市場予想:2.1%、結果:4.2%
9時30分、10月小売売上高(前月比)、前回:0.1%、市場予想:0.5%、結果:0.6%
12月3日
9時30分、第3四半期経常収支、前回:−164億豪ドル、市場予想:−110億豪ドル、結果:−141億ドル
12月4日
9時30分、第3四半期実質GDP(前期比)、前回:0.2%、市場予想:0.5%、結果:0.3%
9時30分、第3四半期実質GDP(前年比)、前回:1.0%、市場予想:1.0%、結果:0.8%
12月5日
9時30分、10月貿易収支、前回:45.32億豪ドル、市場予想:45.00億豪ドル、結果:59.53億豪ドル
12月10日
12時30分、中銀政策金利、前回:4.35%、市場予想:4.35%
12月12日
9時30分、11月雇用者数、前回:1.59万人、市場予想:3.30万人
9時30分、11月失業率、前回:4.1%、市場予想:4.2%
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週の豪ドルは、豪中銀会合に関心が向かおう。今回の会合での利下げ実施を市場は織り込んでいないが、軟調な経済状況を受けて、豪中銀がハト派な声明を出す可能性はある。
ブロック豪中銀総裁の11月28日の発言は下記の通り。
「コアインフレが目標上回っており当面利下げしない」
「インフレ目標達成を確信するまで制約的政策を維持する」
「関税で米インフレ高進の可能性、今後6カ月間の豪インフレには影響せず」
「インフレ2.5%を目指す、緩やかな鈍化傾向なら利下げをいずれ検討」
この時点では比較的タカ派な発言をしていたが、トランプ関税や韓国情勢の不透明化、そして
第3四半期GDPの鈍化などが意識されて、10日の豪中銀会合では相対的にハト派な声明が出ると考える。
日足の一目均衡表では、雲下限を明確に下回った。雲下限や下向きの100日移動平均線が上値抵抗として意識される可能性はある。日銀による追加の利上げ観測は強まっており、市場コンセンサスはやや利上げ優勢といったところか。植田総裁の発言からも「オントラックに進んでいる」「春闘の結果を待つ必要は必ずしもない」といったニュアンスが読み取れる。18−19日の日銀会合への思惑で円は主要通貨に対して強い動きが維持されそうだ。豪ドルは対円では軟調推移となろう。
豪ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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