東京市場のドルは一時156円台まで下落、口先介入の影響力は限定的で円安ドル高再燃か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、158円台に迫る場面が見られたものの、加藤財務大臣らによる口先介入などが重しとなり156円台まで下落する場面が見られた。
米FRBの来年の利下げペース大幅減速が示され、日銀の1月追加利上げ観測は後退するなか、米国の12月フィラデルフィア連銀製造業景況指数の予想外の大幅悪化がサプライズになったとみられ、一時ドル売りになった。しかし、週次の新規失業保険申請件数、11月の景気先行指数や中古住宅販売件数が軒並み改善し、7-9月期GDP確定値も上方修正されており、その後はドル買い、円売りが再燃・加速。157円80銭台まで上昇する場面がみられた。
東京時間でも1月利上げ観測の後退を材料視した円安ドル高が進み、一時157円93銭と158円台に乗せ手前の水準までドルは上昇した。ただ、加藤財務大臣が「為替動向を憂慮しており、行き過ぎた動きには適切に対応する」と発言した後、三村財務官も「投機的動きも含めて憂慮している、行き過ぎた動きには適切に対応」と呼応したことで円安ドル高は一服。一時156円80銭台まで下落する場面が見られた。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:157円45銭
高値:157円93銭
安値:156円84銭
終値:157円04銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:163円21銭
高値:163円67銭
安値:162円54銭
終値:162円78銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 98円18銭
高値: 98円41銭
安値: 97円57銭
終値: 97円74銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:196円92銭
高値:197円30銭
安値:195円79銭
終値:196円09銭
日経平均(日本時間9時―15時30分)
始値:38950円28銭
高値:39039円68銭
安値:38701円90銭
終値:38701円90銭(前日比−111円68銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
21時30分、米、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁がブルームバーグTVに出演
22時30分、米、ウィリアムズNY連銀総裁がCNBCに出演
22時30分、米、11月個人所得、前回:0.6%、市場予想:0.5%
22時30分、米、11月個人支出、前回:0.4%、市場予想:0.6%
22時30分、米、11月PCEデフレータ(前月比)、前回:0.2%、市場予想:0.2%
22時30分、米、11月PCEデフレータ(前年比)、前回:2.3%、市場予想:2.5%
22時30分、米、11月PCEコアデフレータ(前月比)、前回:0.3%、市場予想:0.2%
22時30分、米、11月PCEコアデフレータ(前年比)、前回:2.8%、市場予想:2.9%
24時00分、米、12月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)、前回:74.0、市場予想:74.0
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間は、日本の政府高官による口先介入の影響を見極める展開となりそうだ。加藤財務大臣、三村財務官ともに強い口先介入ではなかったことから、影響力は限定的と見る。要人発言で「タカ派」な発言が出た場合や、米経済指標が強かった場合は円安ドル高の流れが再燃しよう。
本日の東京市場での口先介入は、「断固たる」など強い口調は無かった。24時間で3円ほど円安ドル高に振れたことに伴い形式的に行った意味合いが強く、積極的な投資家であれば「ドル買い」を進めそうな口先介入のレベルと言えよう。ただ、投資家の多くがクリスマス休暇入りしていることから、ここから一段のドル買いが進むかは微妙なところだ。
日足の一目均衡表では、雲上限を上回って推移している。100日移動平均線より上を推移していることから、切り上がっていく雲上限をサポートとした堅調推移が期待できよう。11月15日の戻り高値156円76銭を上回ったことから反発基調は強い。遅行スパンも明確に実線を上回ったことからテクニカル面は良好と考える。
今晩の海外時間は、要人発言や米経済指標次第では円安ドル高が強まる可能性はある。上値メドは158円50銭、下値メドは156円00銭とする。
オーダー/ポジション状況
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