豪ドルWeekly 堅調な労働市場を材料に98円台回復、来週は日米中銀会合に振らされる展開か(24/12/13)

今週の豪ドルは、オーストラリア準備銀行(RBA)がCPIの目標回帰に言及したことで売られる場面も見られたが、良好な労働市場が確認されたことで、一時98円台まで上昇した。

豪ドルWeekly 堅調な労働市場を材料に98円台回復、来週は日米中銀会合に振らされる展開か(24/12/13)

堅調な労働市場を材料に98円台回復、来週は日米中銀会合に振らされる展開か

【今週の豪ドル】

今週の豪ドルは、オーストラリア準備銀行(RBA)がCPIの目標回帰に言及したことで売られる場面も見られたが、良好な労働市場が確認されたことで、一時98円台まで上昇した。

RBAは10日の金融政策決定会合で、政策金利であるオフィシャル・キャッシュレートの誘導目標を4.35%に据え置くと決定した。据え置きは9会合連続となった。RBA声明は、

「基調的インフレ率はなお高過ぎる」
「CPIを目標に戻す政策委の決意は固い」
「インフレ率に対する一部の上振れリスクは緩和したもよう」
「CPIが持続的に目標に戻るとの確信高まる」

RBAが消費者物価指数(CPI)の目標回帰に言及したことで、発表後、豪ドルは1%ほど売られる場面も見られたが、11月雇用統計で就業者数が前月比3.56万人増で、市場予想の2.5万人増を上回ったほか、失業率は前月の4.1%から3.9%に低下。市場は4.2%を見込んでいたことから、労働市場が当局者の想定よりはるかに底堅いことが示されたことで、25年2月利下げ観測が後退し、豪ドルは一時98円台まで上昇した。また、中国経済政策期待による買いも観測された。

豪ドル・円(東京時間:12月9日―12月13日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照

始値: 95円90銭
高値: 98円06銭
安値: 95円60銭
終値: 97円31銭 

【今週と来週の重要指標】※時間は東京時間

12月10日
12時30分、中銀政策金利、前回:4.35%、市場予想:4.35%、結果:4.35%
12月12日
9時30分、11月雇用者数、前回:1.21万人、市場予想:2.50万人、結果:3.56万人
9時30分、11月失業率、前回:4.1%、市場予想:4.2%、結果:3.9%
12月17日
8時30分、12月Westpac消費者信頼感指数、前回:5.3%
12月18日
8時30分、11月Westpac先行指数、前回:0.18%

※予定は変更することがございます。

【今週末から来週の見通し】

今週末から来週の豪ドルは、年内最後のRBA会合を通過したことなどから国内要因での積極的な売買は徐々に手控えられそうだ。一方、17−18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)、18−19日の日銀金融政策決定会合の結果で、ドル、円が動く公算が大きいので、外部要因に振らされよう。

RBAが政策金利を4.35%に据え置く一方、インフレ見通しに対してハト派な姿勢にやや傾いた一方、堅調な労働市場が確認できたことで、RBAによる2月利下げ観測は後退した。今後も経済指標のデータに振らされる地合いは続きそうだ。

FOMCでは0.25%利下げ観測が強まっている一方、日銀会合のコンセンサスは0.25%利上げ実施が五分五分となっている。会合前には関係者によるリーク情報が伝わる可能性もあることで、報道を材料視した円の乱高下には注意したい。

日足の一目均衡表では、雲下限より下で推移しているが、下放れは回避された。右肩下がりの100日移動平均線が上値抵抗として意識される可能性はあるが、雲下限水準を意識した推移となれば、98円処での値固めも期待できよう。

堅調な労働市場を材料に98円台回復、来週は日米中銀会合に振らされる展開か

豪ドル円日足

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