一段安は回避するも、第3四半期GDPや日米中銀会合で荒い値動きの可能性
【今週のNZドル】
今週のNZドルは、目立った経済指標は観測されなかったが、経済的なつながりが深い中国が経済政策への期待感が高まったことでそこ難い動きとなった。
9日に開催された党中央政治局会議にて、来年の経済政策運営を巡って、より積極的な財政政策と適度に緩和的な金融政策に動く方針が討議されるなど、政策転換に動く方針が明らかにされた。とりわけ、金融政策の変更は世界金融危機直後以来で、一段の金融緩和に動く可能性が高まっており、中国株は上昇。NZドルのほか、豪ドルなど中国経済と関係が深い通貨の買い要因となった。
ただ、NZ経済に対する警戒感は根強く、NZドルが一気に反発するような地合いは見られず。足元の下げ基調は一服したが、88円水準でのもみ合いとなった。
NZドル・円(東京時間:12月9日―12月13日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値: 87円76銭
高値: 89円03銭
安値: 87円01銭
終値: 88円13銭
【今週と来週の重要指標】※時間は東京時間
12月11日
6時45分、第3四半期製造業活動、前回:0.9%、結果:−0.1%
12月18日
6時45分、第3四半期経常修正、前回:−48.26億NZドル、市場予想:−104.00億NZドル
12月19日
6時45分、第3四半期実質GDP(前期比)、前回:−0.2%、市場予想:−0.4%
6時45分、第3四半期実質GDP(前年比)、前回:−0.5%、市場予想:−0.4%
9時00分、12月ANZ企業信頼感、前回:64.9
12月20日
6時45分、11月貿易収支、前回:−15.44億NZドル
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週のNZドルは、国内材料は19日の第3四半期実質GDP、海外材料は17−18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)、18−19日の日銀金融政策決定会合に関心が向かおう。
四半期GDPは、第1四半期が3期ぶりのプラス成長を記録していたが、第2四半期は3四半期ぶりのマイナス成長に再び転じた。前年同期比も0.2%減となった。第3四半期も前期比、前年比ともにマイナス成長が見込まれている。市場は弱い経済指標を織り込んでいるが、想定よりも弱かった場合、来年2月まで中銀会合が開催されないことも影響し、ネガティブなNZドル売りが強まると考える。
日足の一目均衡表では、雲下限を明確に下回っており、トレンドは悪化している。一段安は一服していることから、雲下限の89円30銭水準が意識される可能性はあるが、GDPに伴う一段安を警戒したい。日米中銀会合も控え、ドル、円が上下に振れやすいこともあり、NZドルはボラタイルな展開となりそうだ。
NZドル円日足
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