トランプ発言と弱い経済指標で下落、雲下限での攻防へ
【先週のトルコリラ】
先週のトルコリラは、トランプ次期大統領が実施した関税に関するSNS発信や、第3四半期GDPの市場予想下振れなどが影響して弱い動きとなった。
トランプ次期大統領は、11月26日、自身のSNSにて「メキシコ、カナダに対する25%の関税、中国には新たに10%の関税を課す」ことを発信。来年1月20日の大統領就任時から実施するとのことで、為替市場は乱高下となった。対ドルではランドやトルコリラ、ブラジルレアルなど新興国通貨は下落した。
また、29日に発表された第3四半期GDPは2.1%と市場予想の2.4%を大幅に下回ったことから、トルコリラは10月8日以来となる4.2円台まで下落した。米トルコ間の関係改善期待で新興国通貨の中ではしっかりだったが、関税の話を目の当たりにして売り優勢となった。
トルコリラ・円(東京時間:11月25日―11月29日)
※Investing.comの日足を参照
始値:4.4832円
高値:4.5078円
安値:4.2988円
終値:4.3154円
【先週と今週の重要指標】
※時間は東京時間
11月25日
16時00分、11月設備稼働率、前回:74.9%、結果:76.1%
11月28日
16時00分、10月貿易収支、前回:−51.4億ドル、市場予想:−56.5億ドル、結果:−59.1億ドル
11月29日
16時00分、第3四半期実質GDP、前回:2.4%、市場予想:2.4%、結果:2.1%
12月2日
16時00分、11月製造業PMI、前回:45.8
12月3日
16時00分、11月消費者物価指数、前回:48.58%
16時00分、11月生産者物価指数、前回:32.24%
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のトルコリラは、トランプ発言に伴う新興国通貨売りの影響を見極めつつ、11月消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)の結果を材料視した展開となりそうだ。
10月CPIは年率48.58%と5月の75.45%をピークに、6月71.60%、7月61.78%、8月51.97%、9月49.38%と鈍化しており、政策金利50.00%を若干下回った。9月から10月の鈍化幅は小さくなったことから、今回は48−49%と前回よりCPIが伸びる可能性はある。
一方、先週発表された第3四半期GDPが市場予想を下振れたことで経済成長率の鈍化を警戒する動きは強まった。11月CPIが前月比で伸びた場合、ハト派に転換したトルコ中央銀行が再度、タカ派に転じるかもしれない。トルコ中銀は、クリスマス休暇入りしている投資家が多い12月26日に最後の中銀会合を開催する。11月CPI次第では、忙しい年末となりそうだ。
日足の一目均衡表では、雲上限を割り込み、雲下限での攻防を迎えている。遅行スパンも実線を下回っておりトレンドは弱い。100日移動平均線をあっさり下抜けたことで、雲下限を割り込むと一段安の可能性もあろう。まずは雲下限で下げ止まるかを確認したいところだ。
トルコリラ円日足
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