NZドルWeekly 90円水準でのもみ合い、NZ中銀は0.75％の大幅利下げの可能性アリ(24/11/22)

【今週のNZドル】

今週のNZドルは、経済的なつながりが深い豪ドルにつられる動きも見られたが、積極的な売買は手控えられて91円水準での小動き推移となった。

18日に発表された第3四半期生産者物価指数（PPI）は前期比1.5％と前回の同1.1％を上回る結果となったが、影響は限定的となった。19日に公表された11月の豪準備銀行（RBA）理事会の議事要旨にてタカ派姿勢が改めて意識されたことから、豪ドルがやや上昇。NZドルもつられ92円に迫る場面も見られたが、トランプ次期政権への様子見ムードが為替市場で強かったことなどから買いは続かず。週末にかけてのNZドルは91円水準でのもみ合いとなった。

NZドル・円（東京時間：11月18日―11月22日（終値は9時台終値を参照））※Investing.comの日足を参照
始値： 90円41銭
高値： 91円80銭
安値： 90円08銭
終値： 90円34銭　

【今週と来週の重要指標】※時間は東京時間

11月18日
6時45分、第3四半期生産者物価指数（前期比）、前回：1.1％、市場予想：1.5％
11月25日
6時45分、第3四半期小売売上高（前期比）、前回：−1.2％
11月27日
10時00分、NZ中銀政策金利、前回：4.75％、市場予想：4.25％
11月28日
9時00分、11月ANZ企業間信頼感、前回：65.7

※予定は変更することがございます。

【今週末から来週の見通し】

今週末から来週のNZドルは、27日に開催されるNZ準備銀行（NZ中銀）の理事会に関心が集まる。NZ中銀会合では、3会合連続の利下げ実施が織り込まれており、市場では利下げ幅が0.50％か0.75％かに注目が向かっている。

次回会合が来年2月19日と通常より長い３カ月の間隔が空くことから、足元の景気低迷への積極的な対応が求められていることから、大幅な利下げ実施の公算が大きい。また、1月20日にトランプ氏が次期大統領に就任する予定でもあるため、今回の空白の3カ月間で世界情勢が大きく変化するリスクもあるため、NZ中銀は難しい判断を迫られることとなる。

中国など幅広い国の関税引き上げを含むトランプ次期政権の政策は、米国のインフレを押し上げるとの懸念から、米金利は一時4.5％水準まで上昇するなどドル独歩高の地合いは継続。

NZ中銀は、自国経済を考慮すると大幅な利下げを実施したいが、トランプ次期政権の方向性を見極め、ある程度先手を打つ必要もある。市場では0.50％の利下げがコンセンサスとなっているが、0.75％の大幅利下げも十分あり得る。

日足の一目均衡表では、雲のねじれを無事に通過した後、上への動きを強めたが、足元は上げ一服となっている。遅行スパンも実線水準で推移しておりトレンドレスの状況だ。右肩下がりの100日移動平均線に沿った動きも見られるが、雲上限がサポートラインとして意識されそうだ。下への動きは限定的と考えるが、NZ中銀会合の結果次第では上下に大きく動く可能性があるので注意は必要だ。