円安活かして3連騰、ドル円と共に9月16日以降の最高値更新
〇トルコ円、ドル円追いかけ11/13夜に4.49まで反落、本日早朝に高値4.53へ上昇
〇当面の円安継続により、トルコ円も4.60を目指して行くか
〇対ドル、11/13は概ね34.38から34.03の取引レンジ、終値ベースの史上最安値を2日連続更新
〇ドル高圧力により、1ドル36リラ台というリラ安感が払拭できない状況
〇4.54超えからは4.55、4.56を順次試す上昇を想定
〇4.51割れから続落の場合は下向きとして4.49試しとする
【概況】
トルコリラ円の11月13日は概ね4.53円から4.49円の取引レンジ、14日早朝の終値は4.52円で前日終値の4.50円から0.02円の円安リラ高だった。
13日夜の米10月CPI上昇率が全体の前月比で9月の2.4%から2.6%へ再上昇したものの市場予想と一致し、コア指数の伸びも9月と変わらなかったことで発表直後にいったんドル安反応がみられたものの、トランプ次期政権発足後の大型減税と国債増発や関税強化によるインフレ再燃懸念や米FRBの利下げペース鈍化懸念は変わらないとして早々にドル高へぶり返した。
ドル円は米CPI発表後に154.32円へ反落してから14日早朝高値155.62円へ一段高となり9月16日安値139.57円以降の最高値を更新し、トルコリラ円もドル円を追いかけて4.49円まで反落してから14日早朝高値4.53円へ上昇して9月16日安値4.10円(ベンダーによっては4.11円や4.05円等)以降の最高値を更新した。
トルコリラ円は9月27日の石破ショックによる円高でいったん下げてから二段目の上昇に進み、トランプ氏勝利での急伸とその後の反落を消化して一段高に入っており、9月16日安値からの上昇が三段上げの三段目に入っている。ドル円も同様に三段目の上昇期に入っているが、米10年債利回りとほぼ相関した上昇であり、トランプ政権発足にかけて円安基調が続きやすい状況と思われる。
米10年債利回り上昇により日本10年債利回りも上昇感を強めていることと、155円を超えて徐々に160円へ迫れば日本政府や日銀による円安けん制や追加利上げを示唆するタカ派姿勢が目立ってくることも警戒されるが、当面の円安継続によりトルコリラ円も4.60円を目指して行くのではないかと思われる。
今夜はトルコ中銀の週次外貨準備高、米10月PPI、パウエルFRB議長講演がある。
【ドル/トルコリラは終値ベースの史上最安値を2日連続で更新】
ドル/トルコリラの11月13日は概ね34.38リラから34.03リラの取引レンジ、14日早朝の終値は34.35リラで前日終値と同水準だったが、小数点下四桁では34.3501リラとなり12日終値34.3465リラを超えて終値ベースの史上最安値を2日連続で更新している。
8月28日安値34.41リラから9月16日高値33.58リラへ戻した後は概ねこの高安レンジ内で推移してきたが、11月1日に34.42リラを付けて8月28日安値34.41リラをわずかに超えて取引時間中の史上最安値を更新し、終値では1日の34.30リラから4日の34.33リラへ2営業日連続で最安値を更新してから下げ渋っていたものの、12日から13日へ連日の最安値更新となり、8月28日以降の持ち合い相場から下放れし始めている印象だ。
為替市場は米大統領選でのトランプ氏勝利と上下院での与党共和党過半数超えの見通しにより、トランプ氏の掲げる関税強化や大型減税、規制緩和等によるインフレ再燃感とFRBの利下げペース鈍化見通しでドル高基調が続いている。
13日も米10月CPI発表直後に一時ドル安となったものの14日早朝にかけてユーロドル、英ポンドドル、豪ドル米ドル等が9月後半以降の最安値を更新し、ドル円も9月16日以降の最高値を更新してドル高継続としている。トルコリラに対してもドル高圧力がかかっており、トルコ中銀の月次ビジネスサーベイで示されてきた2024年末で1ドル36リラ台というリラ安感が払拭できない状況と思われる。
【60分足 一目均衡表・サイクル分析】
トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、11月11日深夜への上昇で強気転換目安を超えて4.48円まで戻したため、12日午前時点では8日夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして12日午前から14日午前にかけての間への上昇を想定した。
13日夜にいったん下げてから一段高したため、13日夜安値を直近のサイクルボトムとしてすでに新たな強気サイクル入りしたとみて18日の日中から20日の日中にかけての間への上昇を想定するが、4.51円割れからは反落注意として13日夜安値4.49円試しとし、4.49円割れからは弱気サイクル入りとして18日夜から20日夜にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では11日夜への上昇で遅行スパンが好転して先行スパンも上抜いたが、その後も両スパン揃っての好転を維持しているので遅行スパン好転中の高値試し優先とする。先行スパンを上回る内は遅行スパンが一時的に悪化してもその後の好転から上昇再開とするが、先行スパンへ潜り込むところからは下落継続を疑い遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は13日未明から14日早朝への一段高に際して指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられるものの、50ポイント割れから持ち直しているのでまだ70ポイント台中盤への上昇余地ありとするが、45ポイント割れからは下落継続とみて30ポイント台への低下を想定する。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.51円を下値支持線、4.54円を上値抵抗線とする。
(2)4.51円を上回るかわずかに割り込んでも切り返すうちは一段高余地ありとし、4.54円超えからは4.55円、4.56円を順次試す上昇を想定する。4.55円以上は反落注意とするが、4.51円を上回っての推移なら15日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.51円割れから続落の場合は下向きとして4.49円試しとする。4.49円は買われやすいとみるが、4.49円割れからは下げ足がさらに速まる可能性があると注意して4.48円前後試しとする。
【当面の主な予定】
11月14日
20:30 週次 外貨準備高 11/8時点 グロス(11/1時点 930.1億ドル)
20:30 週次 外貨準備高 11/8時点 ネット(11/1時点 611.6億ドル)
11月15日
17:00 10月 財政収支 (9月 -1005億リラ)
11月21日
23:30 10月 中央政府債務 (10月 8兆6490億リラ)
11月21日
16:00 11月 消費者信頼感指数 (10月 80.6)
16:00 トルコ中銀 政策金利 週間レポレート (現状 50.0%)
20:30 週次 外貨準備高 11月15日時点
注:ポイント要約は編集部
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