基本はドル高継続、ただ米指標発表に要注意
〇本日のドル円、揉み合い後に上昇し156.15レベルつける、その後は軟落
〇本日は米10月PPI、FRB議長講演予定、米次期政権人事、地政学リスクの高まり等にも要注目
〇テクニカルに次のターゲットは156.65-70だが、一旦調整が入ると下落早い可能性も
〇ドル高・円安方向、本日東京高値156.15レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向、本日東京安値155.35レベルをめぐる攻防にまずは注目
〇ドル円予想レンジ:155.10-156.50
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルがさらに続伸。7月23日以来となる156円台を一時示現する局面も観測されていた。
ドル/円は155円半ばで寄り付いたのち、当初は揉み合い。そのなかで日中安値の155.35円レベルを示現している。しかし、徐々にドルが買われると前日高値155.63円を超えて156円台へ。一時156.15円レベルをつけたが、さすがにそのレベルは維持出来ず。小緩む格好で軟落、16時現在では155.85-90円で推移し欧米市場を迎えていた。
そうしたなか、ユーロ/ドルの下げも目に付く格好。今年最安値を更新する局面もみられた。
一方、材料的に注視されていたものは「米の次期政権人事」と「米金融政策」について。
前者は、依然として思惑を呼んでいるトランプ次期政権における組閣人事だが、かなり陣容が固まってきた。金融市場関係者からすると、もっとも関心の高い財務長官ポストこそまだ決まっていないものの、新たに「国務長官に対中強硬派のルビオ上院議員を指名する」とトランプ氏から発表されている。いずれにしても、そんなトランプ人事で目に付くのは、前述したように「対中強硬派」かつ、「親イスラエル派」の起用だろう。前者はともかく、後者と関連する話としてトランプ氏は「戦争を早期に集結させる」などと繰り返し発言してきたが、果たしてその実効性は如何に。お手並み拝見といえそうだ。
後者は、昨日発表された米消費者物価指数がまずは事前予想通りの内容に。為替市場でも大きく材料視されることはなかったが、そののちミネアポリス連銀総裁から「インフレは正しい方向に向かっている」、セントルイス連銀総裁「緩やかな利下げを続けるべき」、ダラス連銀総裁「利下げを慎重に進めるべき」−−などといった発言が聞かれ、それぞれ思惑を呼んでいたようだ。今後も発表される米指標、そして地区連銀総裁などの通貨当局者発言には注意を払いたい。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、日本当局による円安警戒感も取り沙汰されるなか、上値を試す展開。前述したように、7月23日以来となる156円台を一時示現する局面も観測されている。もちろん、リスクはドル高方向にバイアスが掛かり、しっかりとした156円台乗せ・定着がまずはポイントとなろう。しかし、ポジションが偏りつつあるうえ、一連のドル高の起点が9月16日139.58円だとすれば、およそ2ヵ月で上昇率は12%近くに達する。「過度の変動」にあたるとみられることも気掛かりだ。
市場では、12月に発表される日米金融政策への関心が高い。ちなみに、米国については「追加利下げ」を期待する声も多いが、昨日発表された米指標はそうした意味で期待外れ。追加利下げ観測を後押しするものにはならなかった。ただ、本日も10月の生産者物価指数が発表される予定で、まだまだ予断を許さない。一方、それとは別に引き続き米次期政権人事や地政学リスクの高まりなどにも一応要注意。
テクニカルに見た場合、ドル/円は予想以上に速いスピードでの円安進行。156円台へと達している。以前にもレポートしたように、高値161.96円を起点とした下げ幅の61.8%戻しはすでに上抜けており、次のターゲットは76.4%戻しの156.65-70円だ。仮に、同レベルを超えていくと、たとえ時間はかかるにせよ再び160円台乗せも否定できない。
もっとも、上昇スピードの速さもあり、一旦調整の動きが入れば下落も早そう。ドルの反落にもしっかりと備えておきたいところだろう。
本日は米経済指標として、10月の生産者物価指数が発表される予定だ。昨日の同消費者物価指数は予想通りだったが、本日の数値は果たしてどうなるか。なお、別途パウエルFRB議長が講演を実施する予定とされ、こちらを警戒する向きも少なくない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは155.10-156.50円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の156.15円レベルが最初の抵抗。上抜ける156.65-70円を目指す。
対するドル安・円高方向は、東京安値にもあたる155.35円レベルをめぐる攻防にまずは注目。割り込んでも基本は底堅そう。155円割れにはビットが並び始めており、下値を支えそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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