トルコリラ円見通し 日銀会合控え小動き、ドル円の持ち合い放れをトルコリラも後追いへ(24/10/31)

トルコリラ円の10月30日は概ね4.48円から4.45円の取引レンジ、31日早朝の終値は4.47円で前日終値と同じだった。

トルコリラ円見通し 日銀会合控え小動き、ドル円の持ち合い放れをトルコリラも後追いへ(24/10/31)

日銀会合控え小動き、ドル円の持ち合い放れをトルコリラも後追いへ

〇昨日のトルコ円、ドル円の慎重な動きを受け、10/28-29の高安レンジ内に留まる
〇本日の日銀会合、総裁会見後のドル円の動きに要注目
〇対ドル、10/30は34.30から33.91の取引レンジ
〇ドル/トルコリラ、終値史上最安値近辺での推移続く
〇トルコ10月経済信頼感指数は改善、来週のCPI事前予想は前月比2.61%、前年比48.20%
〇4.49超えからは4.50、4.51を順次試す上昇を想定
〇4.45割れからは4.44、4.43前後を順次試す下落を想定

【概況】

トルコリラ円の10月30日は概ね4.48円から4.45円の取引レンジ、31日早朝の終値は4.47円で前日終値と同じだった。
衆院選での与党大敗により日銀の追加利上げ先送りへの思惑でドル円が28日午前に153.87円へ急伸した局面で、トルコリラ円はドル円を追いかけて28日午前に4.49円へ上昇して9月16日の史上最安値4.11円(ベンダーによっては4.05円や4.10円など)以降の最高値を更新し、その後にドル円がいったん下げてから29日夜に153.86円まで上昇したところで29日夜高値4.49円へ上昇した。
30日は米経済指標が強めだったことでドル円は153円割れを買われて確りしたものの、31日の日銀金融政策決定会合と植田総裁会見を控えていることで慎重な動きに留まり、トルコリラ円も高値更新へ進めずに28日から29日にかけての高安レンジ内に留まった。

日銀は本日の金融政策決定会合で政策金利を現状維持と見込まれている。衆院選での与党大敗で暫くは政局不安が続くために日銀としても政策変更を仕掛けずらいためだが、先のG20財務相・中銀総裁会合において植田総裁は金融市場の不安定さを指摘しつつ、追加利上げについては判断するための時間的余裕があるとして急がない姿勢を示しているため、本日の会見も同様の内容になると思われる。
しかし、マイナス金利から脱却してある程度金利水準を引き上げたいとの思惑は継続していると思われ、最近の円安に対するけん制的な姿勢を示す必要もあるため、追加利上げのタイミングを探るようなタカ派姿勢を示せば円高反応を招き、利上げは暫く見送ることを強調するハト派姿勢ならドル円の一段高へのきっかけとなること思われる。
トルコリラ円としてはドル円が28日の高安レンジから上下いずれへ抜けるのか見定めつつ、ドル円の持ち合い放れを追いかけるスタンスで臨みたい。

【ドル/トルコリラは2日連続でややリラ高だが、終値史上最安値近辺での推移続く】

ドル/トルコリラの10月30日は概ね34.30リラから33.91リラの取引レンジ、31日早朝の終値は34.20リラで前日終値の34.26リラから0.06リラのドル安リラ高だった。
8月28日の取引時間中史上最安値34.41リラから9月16日高値33.58リラへ戻した後は、この高安レンジ内の持ち合いを続けているが、10月25日終値34.28リラで終値ベースの史上最安値を更新し、28日終値を同値水準とした。
29日から30日にかけては2営業日連続でドル安リラ高でやや持ち直し気味となり一時33リラ台へ上昇する場面も見られたが、31日午前に34.29リラへ下落しており、最安値近辺での推移の範囲にとどまっている。

【トルコ10月経済信頼感指数は改善】

10月30日夕刻に発表されたトルコの10月経済信頼感指数は98となり9月の95を上回り2か月連続で改善した。今年3月の100をピークとして8月の93.1まで悪化が続いてきたが、直近は持ち直し気配を示している。強弱目安の100を超えてゆくにはより確りした景気指標の改善が欲しいところだ。
内訳では、消費者信頼感指数が前月の78.2から80.6へ、サービスが112.6から114.2へ、小売が110.6から110.7へ改善したが、建設は87.8から86.3へ若干悪化した。

【来週のトルコCPI事前予想は前月比2.61%、前年比48.20%】

11月4日にトルコの10月CPI等の発表がある。30日時点のCPI上昇率に対する市場予想は全体の前月比が2.61%で9月の2.97%から若干鈍化し、前年同月比は48.20%とされて9月の49.38%から若干鈍化すると見込まれた。
9月のCPI発表時はコアCPIの前月比が3.6%となり8月の3.0%から伸びが加速し、前年同月比も49.1%となり8月の51.6%から鈍化したものの全体の前年同月比49.38%を上回ったため、インフレがまだ根強いとしてトルコ中銀は10月17日の金融政策決定会合で政策金利の週間レポレートを50%で据え置いている。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、10月28日朝の急伸により25日午後安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして28日夜から30日夜にかけての間への上昇を想定したが、29日夜への上昇で28日午前高値とダブルトップ型を形成したため、ダブルトップ破りから一段高する場合は新たな強気サイクル入りとするのを妥当とみて29日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとし、29日夜高値を超えないうちは30日午後から11月1日午後にかけての間への下落余地ありとした。
31日午前序盤にかけては29日夜からややジリ安の推移が続いているためまだ下落余地ありとするが、引き続き29日夜高値を超えるところからは強気サイクル入りとして11月1日夜から5日夜にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では28日から29日までの高安レンジ内に留まる持ち合いで方向感に欠けるため、29日夜高値超えからは持ち合い上放れとして遅行スパン好転中の高値試し優先とし、28日夜安値割れからは持ち合い下放れにより遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は40ポイント前後を買われて60ポイント手前に抵抗感がみられるため、60ポイント超えからは上昇再開から一段高へ進む可能性ありとみて70ポイント台への上昇を想定し、40ポイント割れから続落の場合は下落継続とみて20ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.45円を下値支持線、4.49円を上値抵抗線とする。
(2)4.45円を上回るうちは上昇余地ありとし、4.49円超えからは4.50円、4.51円を順次試す上昇を想定する。4.50円以上は反落注意とするが、4.47円を上回っての推移なら1日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.45円割れからは4.44円、4.43円前後を順次試す下落を想定する。4.43円前後は反騰注意とするが、4.45円を下回っての推移なら11日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

10月31日
 16:00 9月 貿易収支確報 (8月 -49.9億ドル、予想 -37億ドル)
 16:00 7-9月 海外観光客収入 (4‐6月 148.8億ドル)
 16:30 トルコ中銀 四半期インフレ報告 年末インフレ率 (前期 38.0%)
 17:00 9月 海外観光客数 前年同月比 (8月 2.47%)
 20:30 週次 外貨準備高・グロス 10月25日時点 (10月18日時点 937.9億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高・ネット 10月25日時点 (10月18日時点 606.6億ドル)
11月1日
 16:00 10月 イスタンブール製造業PMI (9月 44.3)
11月2日
 17:00 10月 貿易省・貿易収支速報 (9月 -51.2億ドル)
11月4日
 16:00 10月 CPI(消費者物価指数) 前月比 (9月 2.97%)
 16:00 10月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (9月 49.38%)
 16:00 10月 コアCPI(食品エネルギー等除く) 前月比 (9月 3.6%)
 16:00 10月 コアCPI(食品エネルギー等除く) 前年同月比 (9月 49.1%)
 16:00 10月 PPI(生産者物価指数) 前月比 (9月 1.37%)
 16:00 10月 PPI(生産者物価指数) 前年同月比 (9月 33.09%)

注:ポイント要約は編集部

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る