ユーロ ユーロドルは高値圏もみあい、ユーロ円は戻り売り(週報9月第5週)

先週のユーロドルは、週半ばには年始来高値を更新、1.1214レベルの高値を見ることとなりました。

ユーロ ユーロドルは高値圏もみあい、ユーロ円は戻り売り(週報9月第5週)

ユーロドルは高値圏もみあい、ユーロ円は戻り売り

〇先週のユーロドル、週初のPMIが弱く大幅安、1.1160レベルから1.1083レベルまで急落
〇週央には週初に下げた反動も大きく1.1214レベルと年初来高値更新
〇今週のPMI改定値とユーロ圏CPI速報値、インフレが抑えられPMI下方修正なら10月利下げ可能性高まる
〇ラガルド総裁、デギンドス副総裁、エコノミストのレーン理事らトップ3の発言には要注意
〇米国の一連の雇用関連の数字(JOLTS、ADP、雇用統計)も注目
〇今週も1.1100レベルをサポート、1.1225レベルをレジスタンスとする週を見る

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロドルは週初の弱いPMI速報値を受けてユーロが大幅安になった反動も大きかったと思いますが、週半ばには年始来高値を更新、1.1214レベルの高値を見ることとなりました。その後大きく下げたこともあり、週後半は1.1160レベルをもみあいの中心として上下に動いても同水準に戻ってくる動きを繰り返しました。また自民総裁選ではユーロ円がドル円に追随して動いたことでユーロドルにしては一日の間に上下に振れた週末相場となりました。

ユーロは10月のECB理事会での追加利下げ思惑が週初に広がりましたが、それでも米欧金利差は現在と同じもしくは縮小の流れということは確実視されていることが年初来高値の更新に繋がったと考えられます。今週はラガルド総裁の議会証言、デギンドス副総裁、エコノミストのレーン理事とトップ3の発言が控えていることから、最近の経済指標の結果を受けての今後の金融政策のヒントが得られることを期待している参加者は多そうです。

また先週初に弱い数字でユーロ大幅安につながったPMIの改定値も発表されますのでその数字、そして米国の金融政策を占う上で重要度の増した一連の雇用関連の数字(JOLTS、ADP、雇用統計)が発表されますので米国の金融政策動向と10月17日のECB理事会に向けて重要な一週間になっていくでしょう。先週はECB内で10月の追加利下げに対して積極的なハト派理事と消極的なタカ派理事との間で対立しているという記事がロイターニュースに出てきました。

先々週までは9月に利下げを行ったことで10月の追加利下げには疑問という見方が多かったのですが、先週の弱いPMIでだいぶ流れが変わっています。市場参加者の間では9月のFOMCで0.5%下げたことも10月にECBが0.25%利下げを考える材料となっていますが、今週はPMI改定値とユーロ圏のCPI速報値も出てきますので、インフレが一段と抑えられていてかつPMIが下方修正ということになれば10月利下げの可能性が高まるという見方で良いかと思います。それ以上にECBトップ3の発言に注意です。

テクニカルには日足チャートをご覧ください。

ユーロドルは高値圏もみあい、ユーロ円は戻り売り

大きく拡大しましたが、サポートラインは8月安値から上側のラインは9月初めの戻り高値から引いて上昇ウェッジを考えています。目先は年初来高値を更新したことで高値圏でのもみあいとなっていますが、テクニカルにはもう一段の上昇があってもおかしくないパターンです。ただ今週は欧州、米国ともに材料が多いため、一方向に動くということも無さそうで基本は先週同様の高値圏でのもみあいが予想されます。

今週も1.1100レベルをサポートに1.1225レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

今週のコラム

今週もユーロ円の日足チャートを見ておきましょう。

ユーロドルは高値圏もみあい、ユーロ円は戻り売り 2枚目の画像

こちらも拡大表示しましたが、8月・9月と156円での買いと163円での売りという流れが続いています。直近も9月安値と高値の61.8%押し水準へと押してきていますが、この水準を下抜けても安値トライとはならず、おそらく157円水準では買いが出てくると見られます。

ただ自民党総裁選後の円の動きは中期的な円高を考えての戻り売りが増えていくと見られますので、ユーロ円も160円の大台超えでは戻り売りのオーダーがかなり出てくるのではないかと考えています。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。

9月30日(月)
15:00 ドイツ8月輸入物価
15:00 英国4〜6月期GDP改定値
21:00 ドイツ9月CPI速報値 ☆
22:00 ラガルドECB総裁議会証言 ☆

10月1日(火)
16:00 デギンドスECB副総裁講演 ☆
16:15 ドイツ連銀総裁講演 ☆
16:50 フランス9月製造業PMI
16:55 ドイツ9月製造業PMI
17:00 ユーロ圏9月製造業PMI
17:00 フィンランド中銀総裁講演
17:30 英国9月製造業PMI
18:00 ユーロ圏CPI速報値 ☆

10月2日(水)
18:00 ユーロ圏8月失業率
18:30 レーンECB理事講演 ☆
20:00 エルダーソンECB理事講演
23:00 オーストリア中銀総裁講演

10月3日(木)
16:50 フランス9月サービス業PMI
16:55 ドイツ9月サービス業PMI
17:00 ユーロ圏9月サービス業PMI
17:30 英国9月サービス業PMI
18:00 ユーロ圏PPI ☆

10月4日(金)
15:45 フランス8月鉱工業生産
16:00 スペイン中銀総裁講演
17:30 英国9月建設業PMI
21:30 米国9月雇用統計 ☆

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時ーNY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

9月23日(月)
週明けのユーロドルは東京市場が休場で欧州市場までは全く動かず。欧州市場序盤に発表されたPMI速報値が予想よりも大幅に弱く、次回ECB理事会での追加利下げ思惑が高まり1.1160レベルから1.1083レベルまで急落しました。その後NY前場に1.11台半ばまで戻したものの、引けにかけては売る向きも目立ち1.11近くへ押して引けました。

9月24日(火)
ユーロドルは東京市場では動意薄だったものの、欧州市場に入ってからは前日大きく下げた反動もあり買いが先行。その後はストップも巻き込みながら上昇し、米金利低下の動きから一段高、1.1181レベルと最近の高値圏に迫り、そのまま高値引けとなりました。

9月25日(水)
ユーロドルは前日の流れを受けて堅調なスタート、東京昼過ぎには1.1199レベルの高値をつけました。その後利食いも出て欧州市場前場にかけては押しも入りましたが底堅く、NY市場朝方には1.1214レベルと年初来高値を更新。しかし、その後は利食いと実需のユーロ売り(ドル買い)に押され1.1122レベルへと下落し安値圏での引けとなりました。

9月26日(木)
ユーロドルはドル円とともにユーロ円の動きが目立ったこともあり、欧州市場序盤まで強含み、一旦押しを挟んだ後に改めて買われる動きとなりました。ロンドン・フィキシングではユーロ買いの実需があったようで1.1189レベルの高値をつけ、そのまま高値圏での引けとなりました。

9月27日(金)
金曜のユーロドルは自民総裁選の決選投票までは動意薄、決選投票の結果でユーロ円がドル円とともに急落したことから一時1.1124レベルの安値をつけました。しかし、その後はドル安の動きに追随して買い戻しが入り、1.1203レベルの高値をつけましたが年初来高値には届かず、引けにかけては前日終値水準に押して引けました。


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