ドル円急落で9月16日以降の上昇幅大半を削る、週明けは揺れ返しに注意
〇トルコ円、ドル円の騰落追いかけ9/27に4.29へ一段高、翌早朝4.15へ大幅下落
〇9/16以降の上昇トレンドから転落、円高が長引く場合は史上最安値更新も
〇対ドル、9/27は概ね34.20から33.89の取引レンジ、終値の史上最安値を更新して越週
〇トルコ貿易赤字続く
〇4.19前後は戻り売り有利とし、4.15割れからは4.13前後への下落を想定
〇4.19超えからは週末急落の揺れ返し型反騰に入る可能性ありとする
【概況】
トルコリラ円の9月27日は概ね4.29円から4.15円の取引レンジ、28日早朝の終値は4.16円で前日終値の4.24円から0.08円の円高リラ安だった。週間では9月20日終値4.21円から0.05円の円高リラ安、月間では27日時点で8月30日終値4.29円から0.13円の円高リラ安となった。
ドル円が9月16日の140円割れから上昇期に入ったのを追いかけてトルコリラ円も9月11日安値4.11円(ベンダーによっては4.09円や4.10円も見られた)から上昇してきたが、27日午後の自民党総裁選において利上げ批判派の高市氏優勢との報道でドル円が146.47円へ急伸したためにトルコリラ円も4.29円へ一段高したものの、決選投票で石橋が勝利したことによる失望で日経平均の大幅下落と共にドル円が143円割れへ急落してから28日早朝に142円に迫る続落となったため、トルコリラ円も28日早朝に4.15円へ大幅下落した。
高市氏勝利なら円安基調もさらに継続したと思われるが、先取りした期待と楽観に対して結果への失望が大きかったためにドル円は売りの連鎖反応を招き、午後高値からの下落幅は4円を超えて市場介入時の急落商状に近い展開となった。
石破新総裁が増税や緊縮財政姿勢を強調せずに金融緩和の継続を求める姿勢を示せば、先週末の円高反応は過剰だったとして揺れ返しの円安となっても不思議ないが、今週は週末の米雇用統計へ向けて米国の重要指標発表が相次ぐため、景況感と労働市場の悪化が顕著になれば11月FOMCでの0.50%大幅利下げ期待が高まってドル安優勢となり、ドル円も下落基調を鮮明としてゆくことも考えられるため、揺れ返しが短命に終わる場合は円高継続を警戒する。
トルコリラ円はドル円の騰落を追いかける展開だが、9月16日以降の上昇トレンドから転落しているため、円高が長引き始める場合には史上最安値更新へ進む可能性もある局面と警戒したい。
【ドル/トルコリラは終値の史上最安値を更新して週を終える】
ドル/トルコリラの9月27日は概ね34.20リラから33.89リラの取引レンジ、28日早朝の終値は34.16リラで前日終値の31.14リラから0.02リラのドル高リラ安となり2日連続で対ドルで終値ベースの史上最安値を更新した。
週間では9月20日終値34.09リラから0.07リラのドル高リラ安で2週連続のドル高リラ安、月間では9月27日時点で8月30日終値34.07リラから0.09リラのドル高リラ安だった。
8月28日に34.41リラを付けて取引時間中の史上最安値とした後は34リラを挟んだ持ち合いを続けているが、9月16日高値33.58リラの後は徐々に日々の高安レンジを切り下げ、終値ベースの史上最安値も徐々に切り下げて取引時間中の最安値への距離を縮めてきている。
【トルコ貿易赤字続く】
9月27日に発表されたトルコ統計局による8月貿易収支確報は49.9億ドルの赤字となり、赤字額は7月の73億ドルから縮小して4月の99.1億ドル以降で最低としたものの2018年12月以降の赤字を継続した。輸出は220.5億ドルで7月の225.1億ドルから減少、輸入は270.4億ドルで7月の298億ドルから減少した。輸出は5月の242億ドルで直近の最高としたものの2022年以降は180億ドル台から240億ドル前後までの水準で増減を繰り返しており、リラ安による輸出有利な状況を活かしきれず、欧米や中国の景気減速により伸び悩みに入っている印象だ。
9月27日に発表された9月経済信頼感指数は95となり8月の93.1から改善した。今年3月に100へ到達したところをピークとして8月まで5か月連続低下してきたところで一服の様相であり、2022年が7月から、2023年が8月から持ち直し期に入っているため、今後はやや改善傾向を示しやすいかもしれない。
【60分足 一目均衡表・サイクル分析】
トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、9月26日早朝に24日夕高値を超えたため、26日午前時点では25日午前安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして27日午後から10月1日夕にかけての間への上昇を想定し、27日午前時点では4.22円割れを弱気転換注意として4.21円割れからは弱気サイクル入りとした。
9月27日午後への急伸から一転して4.16円割れへ急落したため、27日午後高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとする。ボトム形成期は30日午前から10月2日午前にかけての間と想定するが、急落後の揺れ返しで反騰する可能性もあるため4.19円超えを強気転換注意、4.20円超えからは強気サイクル入りとして10月2日午後から4日午後にかけての間への上昇を想定する。
60分足の一目均衡表では27日午後からの急落で遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落したため遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。急落後の揺れ返しにも注意がいるため遅行スパン好転からはいったん戻しに入るとみるが、先行スパンからの転落を解消できないうちはその後に遅行スパンが悪化するところから下落再開とする。
60分足の相対力指数は9月27日午後の60ポイント台後半から30ポイント台序盤へ急低下し、30日午前序盤は40ポイント強で推移している。ドル円の波乱が続く可能性もあるので50ポイント超えからはいったん戻しに入り60ポイント台を試すとみるが、50ポイント以下での推移か一時的に超えても維持できないうちは一段安警戒とし、30ポイント割れからは20ポイント弱への低下を想定する。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.15円を下値支持線、4.19円を上値抵抗線とする。
(2)4.19円前後は戻り売り有利とし、4.15円割れからは4.13円前後への下落を想定する。4.13円以下は反騰注意とするが、4.18円以下での推移か直前安値から0.03円を超える反騰がみられないうちは1日も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.19円超えからは週末急落の揺れ返し型反騰に入る可能性ありとし、4.20円からは4.21円前後を試す上昇を想定する。4.21円以上は反落警戒とするが、4.19円を上回っての推移なら1日も高値試しへ向かいやすいとみる。
【当面の主な予定】
10月1日
16:00 9月 イスタンブール製造業PMI (8月 47.8)
10月3日
16:00 9月 CPI(消費者物価指数) 前月比 (8月 2.47%)
16:00 9月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (8月 51.97%)
16:00 9月 コアCPI(食品エネルギー等除く) 前月比 (8月 3.0%)
16:00 9月 コアCPI(食品エネルギー等除く) 前年同月比 (8月 51.6%)
16:00 9月 PPI(生産者物価指数) 前月比 (8月 1.68%)
16:00 9月 PPI(生産者物価指数) 前年同月比 (8月 35.75%)
20:30 週次 外貨準備高・グロス 9月27日時点 (9月20日時点 941.1億ドル)
20:30 週次 外貨準備高・ネット 9月27日時点 (9月20日時点 517.8億ドル)
注:ポイント要約は編集部
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