トルコリラWeekly 「石破ショック」継続となれば、史上最安値更新の可能性も(24/9/30)

中国の大規模な金融緩和政策発表に伴うリスクオンの流れを受けて、買い優勢となったが、週末の「石破ショック」により週初からの上昇分以上に下落する展開となった。

トルコリラWeekly 「石破ショック」継続となれば、史上最安値更新の可能性も(24/9/30)

「石破ショック」継続となれば、史上最安値更新の可能性も

【先週のトルコリラ】

先週のトルコリラは、中国の大規模な金融緩和政策発表に伴うリスクオンの流れを受けて、買い優勢となったが、週末の「石破ショック」により週初からの上昇分以上に下落する展開となった。

中国人民銀行は、短期金利引き下げなどを含めた追加の金融緩和及び規制緩和を発表。中国当局による大規模な金融緩和政策を好感し、中国株が急騰したほか、中国で事業展開する様々な銘柄も上昇するなど世界的にリスクオン再開となり、円は主要通貨に対して売られ、トルコリラは上昇した。

週末は、自民党総裁選の第1回投票で財政積極派の高市早苗氏がトップとなったことで、円売り・日本株買いが加速。日経平均は大引けにかけて上げ幅を拡大し40000円に迫る強い動きを見せた。

ただ、決戦投票の結果、金融所得課税に前向きな石破茂氏が第28代自民党総裁に選出された瞬間、円は主要通貨に対して急騰し、先物市場では日経平均先物が通常終値比2000円超の急落となった。トルコリラは9月4日以来の4.3円直前まで上昇していたが、発表を受けて一気に急落。大きな陰線を残した。

トルコリラ・円(東京時間:9月23日―9月27日)※Investing.comの日足を参照
始値:4.2200円
高値:4.2969円
安値:4.1430円
終値:4.1620円 

【先週と今週の重要指標】

※時間は東京時間

9月24日
16時00分、9月設備稼働率、前回:75.4%、結果:74.9%
9月27日
16時00分、8月貿易収支、前回:−73.2億ドル、市場予想:−50.0億ドル、結果:−49.9億ドル
10月1日
16時00分、9月製造業PMI、前回:47.8
10月3日
15時00分、9月消費者物価指数(CPI)(前年比)、前回:51.97%、市場予想:48.20%
15時00分、9月生産者物価指数(PPI)(前年比)、前回:35.75%

※予定は変更することがございます。

【今週の見通し】

今週のトルコリラは、9月CPIやPPIが落ち着きを見せるとの期待感が高い一方、不安定な円相場と混迷を深める中東情勢を背景に、史上最安値更新を試す可能性がある。

週末に誕生した石破自民党新総裁は、「1億円の壁」解消に向けた金融所得課税の強化に前向きな発言を行っていることで、日本の株式市場は警戒感を強めている。週明けの東京市場は2000円超の急落でスタートする公算が大きく、8月5日のような暴落を警戒するムードが強い。また、株安と同時にリスク回避の円買いも加速することで、トルコリラは対円で売り優勢となる可能性がある。

今後、自民党や内閣の人事案や首相就任に伴い石破氏がどのような政策を発するのか見極めが重要となろう。為替市場は石破氏の発言に一喜一憂するボラタイルな展開となる。今週は不安定な円相場にトルコリラが翻弄されるのは必至だ。

そして、もう一つの懸念が中東情勢だ。イスラエル軍はレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者、ナスララ師を空爆で殺害した。ヒズボラは「ガザやパレスチナを支援し、レバノンを守るために敵との戦いを続ける」と徹底抗戦の構えを明確としている。また、ヒズボラの後ろ盾となっているイランもイスラエルを強くけん制しており、軍事的な緊張がいっそう高まっている。エルドアン大統領が親ハマス・親パレスチナの姿勢を示していることもあり、中東情勢の混迷化はトルコリラへの重しとなろう。

テクニカルでは、転換線が上向きとなっているが、週末の陰線で基準線、転換線、そして、20日移動平均線も下回った。遅行スパンが実線を捉える可能性もあったがリセットされた格好だ。円相場と中東情勢が重しとなり、トルコリラは9月16日につけた史上最安値4.1019円を試す可能性もある。戻りを試していただけに投資家心理はよりネガティブとなりそうだ。

「石破ショック」継続となれば、史上最安値更新の可能性も

トルコリラ円日足

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